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肥満や足が遅い人のための登山隊も出現、エベレスト登山がここまで普通になった訳

ニューズウィーク日本版 / 2024年6月3日 17時39分

「エベレストの頂上をめざして押し寄せた登山者が大行列を作る画像があるが、あんなことになるのは、複数の大規模な登山隊が同じ日に登頂することを選択するからだ」と、アドベンチャー・コンサルタンツのオグルは本誌に語った。

This is a Mt Everest base camp. Overflowing with people, tents, garbage and human waste. Another natural wonder ruined. pic.twitter.com/FO3xUvMqTs— Sarah Connor (@collapse2050) May 24, 2024

近年、エベレストに関しては、山頂まで続く登山者の長い行列や、ゴミだらけのベースキャンプを映した動画や画像がソーシャルメディア上に出回っている。しかしマッケイによれば、そうした動画は、エベレストに登るということが(たとえ頂上に到達しなくても)どういうことなのか、その全貌を伝えていないと言う。

ネパール観光局によれば、今年すでに600人以上の登山者が標高8849メートルの山頂に到達している。

アメリカ人有名登山家アラン・アーネットによれば、ネパール側から登山する外国人登山家を支援するシェルパ(山岳ガイド)は900人に上る。最近再開されたチベット側登山口には、さらに100人の外国人登山者と100人のガイドがいた。

登頂の成功率が急上昇

調査会社スタティスタのデータによると、エベレスト登頂成功者の数は急増しており、過去10年間で毎年平均414人が登頂に成功している。標高約5364メートルのベースキャンプなら、年間約4万人が到達している。

成功率の急上昇にはいくつかの要因があるが、そのうちのひとつはごく単純だ。70年以上前ニュージーランドの登山家エドモンド・ヒラリーが初めてエベレストを制覇したときと比べて、昨今は登頂に必要な肉体的条件がいくらか軽減されている。登山靴や登山服、その他の道具も改良を重ねて負担を軽減するように作られている。

「エベレストはどのシーズンだろうと、人気があると思う。エベレスト登山のロジスティクスの合理化が進むにつれて、すべてがより効率的になった。率直に言って、登頂は10年前よりも挑戦しやすくなっている」と登山専門会社マウンテン・プロフェッショナルズのオーナー、ライアン・ウォーターズは本誌に語った。

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