相手の「本音」を引き出すための、たった1つの質問とは? 国山ハセンさんが身につけた「対話」の力
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月14日 19時58分
ビジネスパーソンのニーズと自分の興味をもとに、各回のテーマやキャスティングを決めています。特に私は自分自身をペルソナにして考えることが多いですね。30代前半のビジネスパーソンはPIVOTのドンピシャのターゲット。例えば、マネーやキャリア形成、子育てなど、自分がまさに関心のあるトピックを取り上げています。
大事にしているのは、ビジネスパーソンの「なんとなく知っている」を紐解いて、課題解決につなげていくこと。たとえば「MONEY SKILL SET」なら、株式投資や保険、住宅など資産運用の課題を解決することが狙いになります。タイトルを「〇〇スキルセット」としているのも、そうした理由からです。
PIVOTの魅力の一つは、MCである自分が学び手になって専門家から知見を引き出し、視聴者にも同じ体験をしてもらえるところ。だからこそ、素朴な疑問をもとに素直に聞いていくようにしています。
動画の演出にしても、説明のCGを画面上に出すのではなく、ホワイトボードに書き込む動作を見せる。そうすることで、視聴者と「一緒に学んでいる感」が出せるよう工夫しているのです。
わからないことをきちんと表現するからこそ、専門家も「基本的なところから教えよう」という姿勢で、本音を語ってくれます。
本音の交換がしたいなら、人生の「ターニングポイント」を聞く
──ハセンさんはご著書のなかで、「対話のゴールは『本音の交換』」だと書いていました。「本音の交換」ができる対話づくりにおいて意識している点はどんな点でしょうか。
質問の項目や台本は頭に入れて臨みますが、それに縛られないように意識しています。相手の表情や声のトーンなど、リアルならではの温度感を大切にするためです。相手の本音を引き出すためには、こちら側の熱量や相手への好奇心をちゃんと表現することが必要だと考えているんです。
──「本音の交換」につながるよう、ハセンさんが大事にしている問いはありますか。
キャリアについての取材などでは、人生の「ターニングポイント」を高い頻度で尋ねるようにしています。人生で困難な出来事は何だったのか、それをどう乗り越えたのか。この問いによって、肩書きや職種を問わず、その人ならではのエピソードを引き出しやすくなると考えているからです。相手が何をどこで学んだのか、それによりどう飛躍していったのか。お聞きしたことを全て吸収したいという気持ちで聞いていますね。
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