相手の「本音」を引き出すための、たった1つの質問とは? 国山ハセンさんが身につけた「対話」の力
ニューズウィーク日本版 / 2024年6月14日 19時58分
人生の転換点は、感情が大きく変化するとき。色々な方のターニングポイントを聞くうちに、「こうした転換点では、こんな感情を経験することが多いのか」などと、共通項が見えてくる。色々なドラマにふれるたびに、次の対話で引き出せるバリエーションが広がっていきます。
──ハセンさんはこうした引き出しを増やすために、「こういう領域にアンテナを立てている」というのはありますか。
それでいうと、仕事中に限らず、アンテナはずっと立てているかもしれないです。日々の自分の感情や相手の言動に対しても、「なぜこの人といると居心地がいいのだろう?」などと、その背景を分析するのが日常になっています。「私はこう考えたけれど、別の角度から見たらどうか?」とか。できるだけ現状を客観視して、多角的なものの見方を意識しているんです。
──異なる視点を得ること、そしてメタ認知を習慣化されているのですね。
放送後の「オンエアチェック」で鍛えられた面もあるかもしれません。アナウンサーの新人時代から、毎日自分の出た放送をチェックして、改善点をメモしていました。ビジネスパーソンなら、商談などの様子を録画してセルフチェックするのもおすすめです。自分の気になるクセを直視するのは苦痛ですが、くり返すうちに慣れていきます。
「提案型」ファシリテーションで、場全体がポジティブな空気になる
──ファシリテーションをされる際に心がけている点についても教えていただけますか。
1つは、聞き手の一人ひとりから意見を聞くのではなく、参加者同士の横の会話が生まれるような仕掛けをして、双方向に語り合う形式を意識することです。参加者同士で話がふくらみ、場全体の一体感が醸成できるよう心がけています。
もう1つ大事にしているのは、相手の話に意見をいいたいときに「提案型」スタイルをとること。反論するのではなく、「さっきの話に関して、こういう考え方もできると思うんですけれど、どうですか?」と提案の形にするほうが、ポジティブに対話が進みます。
もちろん、賛成反対に分かれて批判的に意見を戦わせるスタイルにもメリットはありますが、こうしたスタイルは世の中にあふれています。大事なのは、参加者がこの場を楽しめたと思えるかどうか。多種多様な意見を積み上げていくほうが、参加者は「自分の意見も聞いてもらえた」と思えるし、最終的に場全体がポジティブな空気感になる。そのほうが、視聴者にもポジティブな印象を与えられると考えているのです。
この記事に関連するニュース
-
まじめに頑張る人ほど苦戦...「できる営業」は何が違う? 2万人調査で見えた「できない営業」の問題点
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月17日 11時22分
-
星野リゾート代表が語る、ビジョンの重要性と組織づくりの秘訣とは?
マイナビニュース / 2024年7月10日 8時0分
-
ビジネススキルより先に「地頭力」を鍛えよ...仕事も日常も豊かにする「知恵」がつまった16冊を紹介
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月9日 17時34分
-
「相手の趣味を聞く」だけでは足りない…対話の達人がその後に欠かさずやっている"誰もが喜ぶ"こと
プレジデントオンライン / 2024年7月2日 9時15分
-
「なぜか読書ができない」社会人必読の一冊 ― 20代~30代が今読んでいるビジネス書ベスト3【2024/6】
マイナビニュース / 2024年7月1日 17時0分
ランキング
-
1システム障害、世界で余波続く=欠航、1400便超
時事通信 / 2024年7月21日 22時45分
-
2円安は終わり?円高反転4つの理由。どうなる日経平均?
トウシル / 2024年7月22日 8時0分
-
3なぜユニクロは「着なくなった服」を集めるのか…「服屋として何ができるのか」柳井正氏がたどり着いた答え
プレジデントオンライン / 2024年7月22日 9時15分
-
4イタリア人が営む「老舗ラーメン店」の人生ドラマ 西武柳沢「一八亭」ジャンニさんと愛妻のこれまで
東洋経済オンライン / 2024年7月22日 11時30分
-
5コメが品薄、価格が高騰 米穀店や飲食店直撃「ここまでとは」
産経ニュース / 2024年7月21日 17時41分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)