討論会惨敗の米民主党がここから「仮病」で大統領選に勝つ方法
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月1日 17時23分
パックン(パトリック・ハーラン)
<バイデン大統領にとって散々な結果となった米大統領選討論会。ここから「短期の大病」で逆転するための秘策をハーバード大卒芸人のパックンが考えました>
おっと。短期的な「大病」に罹りそうだ。
ちょっと風邪気味だから早めに寝て治そうとするときってあるよね? そんな感じだけど、風邪ではなく大病の予感がするんだ。でも、ご心配なく! すぐ治るし、そもそも僕自身の体調の話ではない。
大病になりそうなのはバイデン大統領だ。先日の大統領討論会では声もカサカサで咳込んでおり、討論会の最中にスタッフが「実は風邪をひいている」とメディアにリークしている。しかし翌日の集会には出ているし、その風邪の心配もなくなった。というか、どっちみち僕がしたいのは本当の病気ではなく、都合上の「大病」の話だ。
医師のトモダチから聞いたところ、「大病」に罹りたいとき便利なのは「胃痙攣」だそうだ。仕事もできないほどの激痛だが、検査で感知できるものではない。つまり、胃痙攣じゃないことも証明できないので、自己申告だけで診断書を書いてもらえるのだ。バイデンが「胃痙攣」でも訴え、一週間ぐらい公務を休むことにすれば、「大病」としてカウントされることでしょう。
そして、タイミングをうまく見計らって自らの判断で「治れば」いい。胃痙攣はつらいと思うけど、「胃痙攣」は全く痛くない。よっし、これにしよう。
僕がバイデン大統領のブレーンであれば、そんなアドバイスをするだろう。
本当はバイデンは楽勝だった
そう思ったきっかけは先日の米大統領選に向けた候補者同士の討論会。
討論会でバイデンの対戦相手を務めたのはドナルド・トランプ氏。以前、女性に性的暴力を加えた。女性を誹謗中傷した。慈善団体の資金を横領した。不動産の価値を不正に操作した。選挙法違反の一環としてポルノ女優への口止め料の記録を偽造した。そんなトランプ氏。
上記はどれも噂や疑惑ではなく、民事や刑事裁判で立証されたれっきとした事実だ。討論会の司会も「前大統領」と呼ぶトランプだが、肩書を最新バージョンに更新するなら「性加害者・詐欺師・犯罪者」と言った方が正確だろう。
負けるはずがないが、そんな前科持ちにバイデンは負けた。
討論会の最中にトランプは30回以上虚偽の発言をしている。それも中絶、テロ、イラン、ウクライナ、税金、議事堂乱入、関税、貿易、退役軍人、選挙、移民、年金、メディケア(高齢者医療保険制度)、経済などなど、討論で取り上げられたテーマのほとんどについてだ。
この記事に関連するニュース
-
米大統領選の現実を見よ――その傲慢さゆえ、民主党は敗北した
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月21日 16時0分
-
ニュース裏表 平井文夫 「女系天皇」浮上も…石破政権〝左傾化〟の懸念「憲法改正」棚上げ「選択的夫婦別姓」実現 保守派に悪夢も少数与党の弱み「これが民意だ」
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月14日 6時30分
-
米大統領選、激戦州アリゾナで両候補が選挙集会を開催(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月5日 14時0分
-
米大統領選で注目「ふたつのジェンダーギャップ」 ハリスとトランプのどちらに有利に働くのか
東洋経済オンライン / 2024年11月2日 17時0分
-
相変わらず投票率が低かった第50回衆議院選挙…米大統領選に学ぶ、テレビ討論会で使われている「選挙が盛り上がる」ための一枚のカードとは?
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月31日 11時15分
ランキング
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください