現在のビットコイン価格は「高すぎ」か、実は「割安」か...オンチェーンデータから見る「本当の買い時」
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月3日 17時41分
最も興味を持ってもらえるのは現在の価格水準だと思いますので、直近1年間のチャートを作成します。
MVRVの極端な偏差(MVRV Extreme Deviations)に基づく価格帯(1年間)
(黒線:BTC価格、青:-1.0σ、緑:-0.5σ、黄:平均、橙:+0.5σ、赤:+1.0σ)
Glassnode提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成
MVRV比率やビットコインの価格水準自体も変化するため、未来永劫有効な値を示すことはできませんが、少なくとも現在時点において価格が急変した場合、MVRV比率からは「ビットコイン価格$26,970以下は割安(-1.0σ以下)である」と分析することができます(※2024年6月28日時点での値です)。
今回の記事は以上となります。一気に難易度が上がってしまうのですが、上記価格モデルの具体的な内容を含め、MVRVについてさらに詳しく知りたい方には、glassnodeが公開している「Mastering the MVRV Ratio(https://insights.glassnode.com/mastering-the-mvrv-ratio/)」という記事が非常に完成されていますので、お勧めさせてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
*1)半減期について解説すると、あまりにも長くなってしまうため、興味のある方は筆者が過去に執筆した記事(https://www.sbivc.co.jp/market-report/e7wkgsj-76)を参照してみてください。
*2)時価総額は「現在価格×総数量」によって計算されますが、実現時価総額は、現在価格ではなく、「それぞれのビットコインがネットワーク上で最後に移動された時の価格×数量の合計」で計算された指標です。ビットコインは様々な理由で逸失してしまったり(例えば保有していることを誰にも告げずに保有者が亡くなってしまうなど)、非常に長い期間ホールドされたりといった形で、市場に出回らなくなることがあります。実現時価総額では、ブロックチェーン上の(=オンチェーン)実体経済に基づいて時価総額に重み付けを行っているのです。
*3)標準偏差は、データの分散度合いを表す統計指標で、データが平均からどの程度散らばっているかを示します。標準偏差が大きいほどデータが平均値から外れており、標準偏差が小さいほどデータが平均値近くなっています。以下はイメージ図です。全データの約68%が-1σから1σの範囲に、約95%が-2σから2σの範囲に存在しています(MVRV比率が±1σを超えるケースは、全相場の32%程度の珍しさである、ということです)。
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