1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

貧困、肉体的・精神的虐待「児童婚の悪夢」...2000~18年の未成年の結婚は全米で約30万人

ニューズウィーク日本版 / 2024年7月11日 11時38分

配偶者の許可が得られず、教育や医療すら満足に受けられないケースもあると、スウェッグマンは言う。

虐待的な関係からの脱出を支援する制度があっても、未成年者の相談を受け付けていない機関が多い現状では、未成年の既婚者は「どこにも助けを求められない」とも、スウェッグマンは言う。

離婚しようとしても、未成年者は契約を結べないためアパートを借りるのも難しい。

さらに、各州の政府機関である児童保護サービス(CPS)にさえ門前払いを食らわされることもある。児童保護の法令で未成年者に婚姻を強いることを禁じているのはテキサス州のみ。他の州では既婚者というだけで未成年者であってもCPSの管轄外とされるのだ。

DV被害者のシェルターは、保護者のいない未成年者の入居を断ることが多いと、UALの創設者で代表のフレイディ・リースは言う。

強制的に結婚させられた相手から逃れるために家を出た未成年者は、行き場がなければ、警察に捕まって家に連れ戻される危険性もある。成人では「家出」は罪にならないが、未成年者であれば犯罪と見なされるからだ。

また警察に捕まったら、大人であれば弁護士に相談できるが、未成年者はそれもままならないと、リースは言う。未成年者との契約は無効と見なされるケースが多く、「そもそも未成年のクライアントの相談に応じる弁護士はまずいない」からだ。

リースはこうした状況を児童婚が生み出す「悪夢のような法律の罠」と呼ぶ。この罠にかかれば、虐待を受けていても離婚訴訟を起こせないし、身の危険を感じても加害者に接近禁止命令を出すよう裁判所に申し立てることもできない。

#DidYouKnow #ChildMarriage creates a nightmarish legal trap? Minors face overwhelming barriers if they try to escape a #ForcedMarriage. Marriage before 18 is recognized as a #HumanRights abuse that destroys almost every aspect of an American girl's life: https://t.co/5tBgcgthrk pic.twitter.com/0gts3GYDmd— Unchained At Last (@UnchainedAtLast) July 9, 2023

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください