クルスクのウクライナ占領地に絨毯爆撃を── 「住民はそのために避難した」ロシア元国会議員
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月22日 15時28分
イザベル・バンブルーゲン
<ウクライナ軍がロシア領内で攻撃を続けるのを見かねたロシア人エリートの間には核攻撃を求める「極論」も>
ウクライナ軍はロシア西部クルスク州への越境攻撃を続けており、作戦開始から2週間で同州の少なくとも92の集落を制圧したと明らかにしている。こうしたなかロシアのある政治家が国営テレビで、自身の出身地でもあるクルスク州への絨毯爆撃を呼びかけた。
【動画】ウクライナ「越境攻撃」で大混乱中...ロシア軍ヘリ、誤って味方を「爆撃」してしまう瞬間の映像
ロシアの元国会議員ナターリャ・ナロチニツカヤは、ロシア国営第1チャンネルに出演して絨毯爆撃を呼びかけ、ロシアの独立系ジャーナリストによるテレグラムチャンネル「アストラ」が8月19日にその内容を共有した。
「クルスク州で起きたあらゆることを考えると、そのぐらいの報復を実行すべきだ!」とナロチニツカヤは主張した。「ウクライナ軍を包囲して、全てを破壊するべきだ。それには絨毯爆撃だ。その準備が進められていることを願う」
ナロチニツカヤの発言を共有した以下の投稿に付けられた英語の翻訳コメントによると、彼女は「数千人もの住民を避難させたのは、絨毯爆撃のために他ならないはずだ」と言っている。
"I hope there's already preparation (to carpet bomb Kursk Oblast). Because this much evacuation is not for nothing. Why else evacuate so many thousands of people?"- Russian politician Natalya Narotchnitskaya on Russian state TV Channel One. #Russia pic.twitter.com/3WMrcqSTIo— Natalka (@NatalkaKyiv) August 19, 2024
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は19日、ウクライナ軍が同国北東部のスームィ州から国境を越えてロシア西部のクルスク州への攻撃を開始して以降、ロシアの領土1250平方キロメートルを掌握し、92の集落を制圧したと発表した。
核攻撃も選択肢
越境攻撃の規模はかなり大きく、ウクライナ軍は8月6日に越境攻撃を始めてからこれまでにクルスク州で制圧したロシア領の面積が、ロシア軍が2024年に入ってから制圧したウクライナ領の面積を上回るという。
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