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BLACKPINK、TWICE、NewJeansだけではなかった 韓国ディープフェイク性被害は中学生や女性兵士にまで

ニューズウィーク日本版 / 2024年9月5日 14時30分

【動画】韓国ネット配信で活躍するカン・ドンランら女性インフルエンサーたち

ディープフェイク問題、発端はソウル大学から

もちろん、K-POPアイドルなどの著名人だけが標的になっているわけではない。一般の女性について被害が大きく報道されたのは被害者・加害者友にソウル大学の出身者という「ソウル大学虚偽わいせつ物製作流布事件」と呼ばれる事件だ。

この事件は、2020年にわいせつ動画をSNSで共有して韓国を震撼させた「n番部屋事件」に関して調査報道を行った女性ジャーナリスト、ウォン・ウンジ氏が潜入取材をして明るみになった。ウォン氏は「美貌のソウル大出身の妻と結婚した30代男性」という設定のアカウントでテレグラムに潜入。2022年7月から2024年4月まで加害者のパク(40)とコミュニケーションを続けて信頼関係を築いたという。パクはウォン氏の語る仮想妻に執着し「私が妻を強姦しても大丈夫か」と尋ね、さらに「下着姿の写真を送ってほしい」「実際の下着をくれ」とまで要求した。これに対してウォン氏は「本当に譲ってやる」と約束してパクを誘い出し、地下鉄2号線のソウル大入口駅近くに現れたパクが下着の入った紙袋を持ち出したところで警察が逮捕したという。

その後の警察の調べで、逮捕されたパクはソウル大の後輩女子学生を含め、48人の女性を相手に計1852件の合成写真や映像を制作しテレグラムに投稿したことが分かった。彼は、ソウル大学に10年以上通い、被害者たちと知り合った後、カカオトークのプロフィール写真などで合成わいせつ物を制作。投稿したディープフェイクの中には、未成年者のものも含まれていることが明らかになった。パクがテレグラムのチャットルームに投稿した映像は100件に達し、映像の大部分はソウル大学の同窓である共犯のカン(31)が制作したという。カンは犯行当時、ソウル大学の大学院生で、約28人の女性を対象に卒業写真やSNS写真を裸の写真などに合成したディープフェイクを制作し、パクに提供していた。

お前の知人を傷つけてやる

このソウル大学の事件をきっかけとして、インチョン市にあるインハ大学でもテレグラムに1200人が参加するディープフェイクのチャットルームが開設されていることが発覚。これは2020年に開設され、被害女性は把握された者だけで30人を超え、このうち3分の2がインハ大生で、いずれも学内の有名サークル所属だったという。被害者の一人で卒業生のユ氏は、あるとき「テレグラムのチャットルームにあなたの顔を合成した写真と個人情報が共有されている」という匿名のSNSメッセージを受け取った。ユ氏がチャットルームに入ってみると、連絡先や学生番号などの個人情報とともに、女性の裸の写真にユ氏の顔を合成したディープフェイクが数十個アップされているのを確認したという。

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