1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

BLACKPINK、TWICE、NewJeansだけではなかった 韓国ディープフェイク性被害は中学生や女性兵士にまで

ニューズウィーク日本版 / 2024年9月5日 14時30分

こうしたなか、警察庁のウ·ジョンス捜査本部長は9月2日、定例記者懇談会で、「フランスで行ったように、ソウル警察庁がテレグラム法人に対して立件前の調査に着手した。容疑は今回の犯罪(ディープフェイク画像などの犯罪)幇助に対するものだ」と明らかにした。

ウ本部長は「テレグラムはアカウント情報などを我われだけでなく米国など他の捜査機関にも提供しない」として捜査上の困難を認めたが、その一方で「テレグラムを利用した犯罪を今まで全く検挙できなかったわけではない」として「我われなりの捜査手法があり最善を尽くして捜査している。フランス捜査当局や国際機関などと協力し、この機会にテレグラム捜査ができる方法を探してみる」と語った。

テレグラム側、一部画像の削除に応じたが

また、韓国の放送通信について審議する放送通信審議委員会は、従来、有害コンテンツの削除要請を無視してきたテレグラム側が一転して削除に応じ、さらに連絡用のメールアドレスを通知してきたと発表した。放送通信審議委員会は、インターネット上のコンテンツについて、北朝鮮関連のものや性的なものなどを確認した際に韓国内からの接続を遮断するかどうかを決定している公的機関だ。

放送通信審議委員会は9月3日、「テレグラムが東アジア地域関係者による公式Eメール書簡を送付し、緊急削除を要請したデジタル性犯罪映像物25件を削除し、謝罪の意と共に信頼関係構築の意思を明らかにしてきた」として、「事態の深刻性を認識しディープフェイク問題を解決することはもちろん、デジタル性犯罪の撲滅のための強固な協力関係を固めていくことを期待する」と話した。

一方で、プラットフォーム企業が違法・有害コンテンツを積極的に削除しない場合、厳重処分しなければならないという意見が政治家から上がってきており、現在開会中の韓国国会でも審議の争点になると見られている。与党・国民の力のコ・ドンジン議員は当事者の同意を得ていないディープフェイク映像の制作から販売・配布・利用までを幅広く処罰する包括的ディープフェイク防止および処罰法を発議。最大野党・共に民主党のチョン・ジンスク議員は、匿名性が保障される情報通信サービスを利用した性犯罪を加重処罰する性暴力犯罪の処罰などに関する特例法改正案を発議している。

2019年のバーニングサン事件における芸能人の盗撮問題、そして2020年のn番部屋事件と、韓国では女性を対象としたわいせつ動画などの問題が過去にも社会的な問題となってきたが、こういった事件に対して抜本的な法整備が行われてこなかったことが、今回のディープフェイク問題を引き起こした遠因と言われている。果たして、今度のディープフェイク問題では、抜本的な解決ができるかどうか、今後の展開が注目される。

【動画】ディープフェイク性被害を受けた中学生

学生や教師など学校関連のディープフェイク被害者が500人を越えるという調査結果も出ている。 KBS News / YouTube

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください