ベテラン書籍ライターが「本を出したい」なら「100の格言」を書けばいいという理由【出版業界】
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月26日 17時55分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
<「著者になってほしい」と出版社から打診される人になるには?>
「出版社から本を出す」方法を一から解説し、書籍編集者のあいだでも「わかりやすかった」と納得の声が上がっているのが、『本を出したい』(CCCメディアハウス)だ。著者の佐藤友美氏は、作家として8冊の単著と3冊の共著を出版し、書籍ライターとして52冊のビジネス書や実用書の執筆に携わってきた。
多数の出版社や編集者、著者と仕事をしてきた経験が惜しみなくシェアされた本書より、著者として出版社から声がかかりやすい人になる方法を考える。
※本記事は全3回の第2回(第1回:自著をヒットさせてきたライターが語る「本を出したい」人が知っておきたいこと)
◇ ◇ ◇
お金持ちになる方法をどちらの人から教わりたいか
「本を出してほしい」と打診される人は、いったいどんな人でしょうか。ちょっと考えてみましょう。
たとえばみなさんが、お金持ちになる方法を知りたいとします。どんな人から教えてもらいたいでしょうか。
親から莫大な遺産を引き継いで悠々自適に暮らしながら、銀行に預けたお金の利息と不労所得で生きている人から教わりたいでしょうか。それとも、生まれた家は貧しく大学も卒業していないけれど、30代から始めた週末起業で人が羨む豊かな生活を手に入れた人から教わりたいでしょうか。
ケースバイケースだとは思うものの、後者から教わりたい人が多いのではないでしょうか。
もうひとつ例を出します。あなたが、「話し下手の自分でも人とうまくコミュニケーションできる方法」を知りたいとします。友達一人にアドバイスして喜ばれた経験がある人と、これまで3000人の話下手を救った予約のとれないコーチだとしたら、やはり後者から学びたいと思いますよね。
「教えるのがうまい人」=「能力のある人」、ではない
このように、本を出せる人は「読者の課題解決をする人として最適な人かどうか」を問われます。ただし、読者の課題解決に長けている人と、その業界ナンバーワンと言われる達人は、必ずしもイコールではありません。「自分自身ができる」ことと、「人に教えることができる」ことは、まったく違います。
野球の天才、長嶋茂雄さんに「どうやったらホームランを打つことができるのか?」と聞いたところ、「スーッと来た球をガーンと打てばいい」と言われたという逸話が有名です。エピソードとしては面白いですが、これでは、書籍は作れません。
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