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ハン・ガンのノーベル文学賞受賞はなぜ革新的なのか?...精密な文章で綴る「声の不在」

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月15日 14時10分

『別れを告げない』の英訳版は来年初めに刊行される。本作も、少なくとも題材においては、『菜食主義者』よりも曖昧で複雑な作品といえるだろう。

けがで入院したインソンと、彼女のペットの鳥の世話をするために済州島のインソンの実家を訪ねる作家キョンハの物語である。大雪で家に閉じ込められたキョンハは、済州島4.3事件(1948〜54年、朝鮮半島の分断に反対し武装放棄した島民が、軍や警察に虐殺された)の歴史に触れていく──。

"I'm so surprised and honoured."2024 literature laureate Han Kang had just finished dinner with her son at her home in Seoul when she received the news of her #NobelPrize. We spoke to her - moments after she found out about the prize - about growing up with books, being the... pic.twitter.com/lZwdBgRwI8— The Nobel Prize (@NobelPrize) October 10, 2024

ガンの受賞は幅広い称賛を集めている。ノーベル文学賞は時に物議を醸す。ネットでは受賞者の妥当性が議論され、政治的な選考が非難されることもある。23年にノルウェーのヨン・フォッセが受賞した際は知名度が低すぎるとの声が上がり、16年にボブ・ディランが受賞した時には有名すぎるとの嘆きが聞かれた。

韓国の歴史や場所を世界の読者に伝えるガンの作品は、その地域性と精密な文章によって、革新的で心を捉えるものとなっている。まさに受賞にふさわしい作家だ。

Jenni Ramone, Associate Professor of Postcolonial and Global Literatures, Nottingham Trent University
This article is republished from The Conversation under a Creative Commons license. Read the original article.

ノルウェー・ノーベル委員会による公式発表

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