1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

台風の後、河川敷のテントに居られなくなった女性ホームレス。イオンの前から電話が掛かってきた

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月16日 18時25分

お母さんと別れて1時間後、私は買い物をして自転車で一旦家に帰り、再びイオンの前を通ったとき、またお母さんの姿を見た。彼女は今度はスーパーの入り口のベンチに座っていた。そばに傘とショルダーバッグが置いてある。

お母さんは今夜、通行人に見えるこの場所で寝ることはないと思うが、どこに行って寝泊まりするのだろうか。

3日後の夕方、赤羽公園へと続く歩道で、その見慣れた後ろ姿を再び見た。白髪混じりで腰と背中が少し曲がっていて、よろよろと歩いている。お母さんはまだ外を漂泊しているようで、定まった休む場所がないに違いない。

気象庁は、台風3号が伊豆半島に接近し、暴風雨が再び襲ってくる可能性があると予報している。

お母さんよ、これからあなたは日々をどのように過ごしますか。

私はどうすればあなたを助けることができますか。

※ルポ第9話(10月23日公開予定)に続く

(編集協力:中川弘子)

[筆者]
趙海成(チャオ・ハイチェン)
1982年に北京対外貿易学院(現在の対外経済貿易大学)日本語学科を卒業。1985年に来日し、日本大学芸術学部でテレビ理論を専攻。1988年には日本初の在日中国人向け中国語新聞「留学生新聞」の創刊に携わり、初代編集長を10年間務めた。現在はフリーのライター/カメラマンとして活躍している。著書に『在日中国人33人の それでも私たちが日本を好きな理由』(CCCメディアハウス)、『私たちはこうしてゼロから挑戦した――在日中国人14人の成功物語』(アルファベータブックス)などがある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください