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B29の発進地「原爆の島」が再び動き出す...米軍が太平洋で進める、新たな「対中国戦略ミッション」とは?

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月23日 16時16分

今年4月には米空軍が、ノースフィールドを再建するべく、計1.8平方キロの舗装作業を進めていることを明らかにした。その滑走路をアメリカの「戦力投射プラットフォーム」にしようというのだ。

飛行場を覆っていた草木の伐採作業は1月に始まっており、既に地域合同軍事演習における未舗装滑走路の着陸訓練に使われている。

米空軍の新戦略ACEの要衝

ノースフィールド整備計画の終了予定日は明らかにされていないが、テキサス州アービングに本社があるエンジニアリング会社フルーアが、ノースフィールドの「舗装および輸送支援」事業を5年間4億900万ドルで請け負ったと発表している。

欧州宇宙機関の地球観測衛星「センチネル2」が撮影した画像では、ノースフィールド飛行場の整備が進んでいることが見て取れる。(写真左上から時計回りに)2023年9月、24年4月、同7月、同9月 COPERNICUS DATA SPACE ECOSYSTEM (4)

欧州宇宙機関(ESA)の地球観測衛星「センチネル2」がこの1年間に撮影した画像を見ると、ノースフィールドを覆っていた緑が薄くなり、滑走路がくっきりと見えるようになってきたことが分かる。今年9月に撮影された画像では、並行して走る4本の滑走路が確認できる。

米インド太平洋軍(司令部はハワイ)の指揮下にある太平洋空軍のキース・ピーデン報道官は、ノースフィールドの再建が着実に進んでいることを認める。

有事のとき、部隊を分散させて機動性を高める戦略ACEを念頭に、滑走路や誘導路、駐機場を含む1.8平方キロ超の飛行場へと拡張する計画だという。

さまざまなタイプの航空機に対応できる施設にすることにより、空軍が「多様な状況で部隊を迅速に配備・維持」できるようにすると、ピーデンは語る。

現在のノースフィールドでは、「限られた航空機」が運用されているが、「飛行場の能力を高めて、平時と有事の両方に対応できるようにする」と言う。

米空軍のACEは、中国はアメリカにとって「ゆっくりと悪化する長期的リスク」であるという国防総省の見方に沿って、敵の軍事力の進歩などに応じて空軍を再編する際の基本的な考え方を示している。

ACEの狙いは、「空軍が(大規模基地ではなく)分散した小規模基地のネットワークから作戦を展開できるようにすることで、作戦の弾力性と柔軟性を高めることだ」と、ピーデンは説明する。

テニアン国際空港の拡張施設も、グアムのアンダーセン空軍基地など西太平洋のハブ基地へのアクセスが「制限されるか利用できなく」なっても、「ミッションを完遂する」ための施設だという。

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