1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

【インタビュー】LL・クール・J、11年ぶりの新作に込めた「ヒップホップへの愛」

ニューズウィーク日本版 / 2024年10月25日 15時20分

その後のアルバムでは粋がったラップの間に「ドゥーイン・イット」など女性ファンがターゲットのエロチックなナンバーを挟み、唇をなめるしぐさと肉体美を武器にヒップホップ界初のセックスシンボルとなった。

大ぶりなアクセサリーをはやらせたのもLLだという。3枚目『パンサー』のジャケットでLLはゴールドのチェーンを着け、極太のゴールドチェーンを巻いた黒ヒョウとポーズを取った。

『リップシンクバトル』の司会も GREG DOHERTY/GETTY IMAGES

「当時ハーレムでつるんでいた連中のスタイルをまねた。あれは俺の発明ではないが、世間に広めたのは俺だ」と、彼は振り返る。

「RUN DMCのジャム・マスター・ジェイは俺のチェーンを見て、もっと太いのを買った。彼らの『マイ・アディダス』は俺の『アイ・キャント・リブ・ウィズアウト・マイ・レイディオ』にインスパイアされた曲だ。RUN DMCは特別に好きなグループだから、愛を込めてこういう話をさせてもらう」

さらにLLは続ける。「『素晴らしき哉、人生!』を見たことはある? 俺がいなかったらヒップホップ界は衝撃的に違っていたはずだ」と言って笑う。引き合いに出した1946年の映画では自殺しようとする主人公の元に天使が訪れ、彼が世界に及ぼした影響の大きさを教える。

「だが自慢話は控えることにしている。そういうのはもうやりたくない。俺はただ感謝で胸がいっぱいなんだ」

パーティーでもラジオでも引っ張りだこのヒットを連発し、プラチナアルバムを次々と放ち、LLはヒップホップ界で正真正銘のスターとなった。さらにはロックの殿堂入りを果たし、文化・芸能への貢献をたたえるケネディセンター名誉賞にもラッパーとして初めて輝いた。

LL COOL J - Road To The Rock & Roll Hall Of Fame

こうした音楽界での栄冠の数々は、ハリウッドでの成功を後押しした。LLは、85年のデビューアルバム『レイディオ』のリリース直前に、映画『クラッシュ・グルーブ』にカメオ出演して以来、映画やテレビドラマに数多く出演してきた。

それも名優アル・パチーノとジェイミー・フォックス主演の映画『エニイ・ギブン・サンデー』や、超人気の犯罪ドラマ『NCIS:LA〜極秘潜入捜査班』など、一流の作品ばかりだ。俳優以外にも、グラミー賞授賞式の司会を5年連続で務めたり、セレブがヒット曲の口パク演技を競う番組『リップシンクバトル』の司会なども務めてきた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください