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家族仲は険悪に...4姉妹ユニット「シスター・スレッジ」から脱退後「末っ子キャシー」はどうなった?

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月6日 17時25分

「この国には、今こそこの歌が必要だ」と、彼女は言う。「私たちは近年、多くの混乱を目の当たりにしてきた。でも今は、この国のみんなが互いを受け入れなくちゃいけない。『ウィー・アー・ファミリー』のメッセージには、それに役立つ何かがある」

イギリスの音楽フェスティバルで熱唱するキャシー(今年6月) C BRANDONーREDFERNS/GETTY IMAGES

米同時テロ後の癒やしに

この歌は過去にも、アメリカ人を一つにするために役立ってきた。01年9月11日の米同時多発テロ後には、真っ先にチャリティーシングルとして新たに録音され、リリースされた。

その時のミュージック・ビデオはスパイク・リーが監督を務め、ダイアナ・ロスからマコーレー・カルキンまで数百人の著名ミュージシャンが共演した。プロデューサーを務めたのは、79年にオリジナルの曲を書いたナイル・ロジャース。「癒やしのプロセスを始める」ためだった。

このチャリティーシングルの売り上げで「ウィー・アー・ファミリー財団」が設立された。以後一貫して財団は世界中の若者を支援している。

ただし、大勢の人を結び付けてきたこの歌も、スレッジ4姉妹の結束を守ることはできなかった。キャシーは自身のキャリアを追求したくてグループを離れたが、そのせいで3人の姉、とりわけデビーとの仲は険悪になり、その確執は今も続いている。

デビーは、キャシーが一方的にグループを脱退し、事情を聞こうとしても電話に出なかったと主張する。

今年6月にはイギリスの大衆紙に、「最悪なのは、脱退したキャシーがすぐに別のグループを立ち上げたこと。『なぜ?』って私たちは思った。でも彼女は音信不通で、電話にも出なかった」と語っている(本誌はデビーの代理人に何度もメールを送ったが、コメントは得られなかった)。

分裂後、デビー以下の3姉妹は法的措置を取り、キャシーを法人としてのシスター・スレッジから排除。ステージで「シスター・スレッジ」の名を用いることも禁じた。

「ひどい話でしょ。私もスレッジ姉妹の1人なのに、あれから20年間、ステージで『シスター・スレッジの』とも『シスター・スレッジ出身の』とも言えなかった」

キャシーがそう語ったのは22年のこと。その前年、デビーら3姉妹はようやく、キャシーに音楽活動で「シスター・スレッジ」の名を使うことを認めていた。

結果、今のキャシーは「シスター・スレッジ・フィーチャリング・キャシー・スレッジ」を名乗っている。ちなみにデビーら3姉妹(と、その子供たち)も、「シスター・スレッジ」を含むグループ名でずっと音楽活動を続けてきた。

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