スキージャンプ髙梨沙羅と行くパラオ、気候変動危機の最前線に迫る【大統領インタビューも実現】
ニューズウィーク日本版 / 2024年11月11日 11時30分
(左)大統領執務室で行われたインタビュー後、大統領から髙梨さんへ、パラオを紹介する書籍がプレゼントされた(右)太陽光蓄充電システムを搭載したEV自動車を観光に活用する「姫島モデル」も、パラオへの導入が検討されている。日本のスタートアップT-PLAN社が大分県姫島村で実施する取り組みで、2023年4月にはパラオで試乗会も実施された。写真は大統領の試乗の様子
(左)車依存社会のパラオで、国民の主な移動手段は自家用車。JICAの協力による環境配慮型公共交通システムの整備に向け、現在路線バスがテスト運行中(右)路線バスに乗車した髙梨さん。私生活ではよくバスを利用するそう
自然の中で暮らす私たちがやるべきことは?
パラオのさまざまな場所で、気候変動対策に関わる人たちに話を聞いてきた髙梨さん。「至る所にJICAの協力があって驚きました」と話します。
「私自身、気候変動を深刻な問題と捉えていて、雪不足でスキージャンプの試合が中止になることや人工雪をジャンプ台に貼り付けて開催することも増えてきており、この現状に危機感を持っています。今回のパラオ訪問で、雪や山だけにフォーカスするのではなく、『世界をもっと広く見なければ』という意識を持ちました。海や山を含め、私たちの生活は自然に守られていると思います。その中で生活している以上、私たち一人ひとりが気候変動問題に取り組んでいく必要があると思いました」
髙梨 沙羅(たかなし・さら) スキージャンプ選手
1996年生まれ。小学2年生からジャンプを始め、2018年平昌冬季五輪で銅メダル獲得、国際スキー連盟(FIS)ワールドカップで男女通じて歴代最多の通算63勝をあげるなど世界で活躍を続けている。各国を転戦する中で、雪山への影響をはじめとする気候変動問題に危機感を持ち、2023年に「JUMP for The Earth PROJECT」を立ち上げ。自ら積極的に環境保護活動に取り組んでいる。
(関連リンク)
気候変動に対する強じん性を高める沿岸生態系の管理能力向上プロジェクト
パラオでのJICAの取り組み
パラオが導入に向け調査を進める「久米島モデル」とは
髙梨沙羅さんが取り組む「JUMP for The Earth PROJECT」
◆第1弾:「髙梨沙羅さんと学ぶ パラオの気候変動アクション ~サンゴ礁とマングローブ林の保全~」
◆第2弾:「髙梨沙羅さんと学ぶ パラオの気候変動アクション ~持続可能な未来へ向けて~」
※当記事は「JICAトピックス」からの転載記事です。
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