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オードリー・タンは生活にも「/」を入れる...「スラッシュワーカー」になる方法、超える方法

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月15日 11時35分

オードリー・タン(2022年撮影) Ann Wang-REUTERS

ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
<いま世界中で複数の肩書きを持つ「スラッシュワーカー」が増えている。若き天才オードリー・タンは提案する。「職業だけでなく生活にもスラッシュを」>

世界的に、複数の肩書きを持つ「スラッシュワーカー」が増えている。

若き天才と呼ばれ、長いキャリアを持つオードリー・タン(唐鳳)も、もちろんその1人――のように思えるが、実は少し違う。オードリーはむしろ「単槓(ダンガン)」だ。

「スラッシュワーカー」なのか「単槓」なのかはともかく、これからの時代に向けたオードリーの提案はこうだ。

「職業だけでなく生活にもスラッシュを入れよう」

本業以外の時間を作ることのメリットやその取り組み方について、最新作『オードリー・タン 私はこう思考する』より、一部を抜粋・再編集して紹介する。(本記事は第3回)。

※第1回:オードリー・タンが語る「独学と孤独」 答案を白紙で提出し、14歳で学校を辞めた天才の思考
※第2回:世界の若者を苦しめる「完璧主義後遺症」...オードリー・タンは「ジグソーパズル」にたどり着いた

◇ ◇ ◇

世界的に増えている「スラッシュワーカー」

2007年、『ニューヨーク・タイムズ』紙のコラムニスト、マーシー・アルボハーの著書『One Person/Multiple Careers : The Original Guide to the Slash Career』(未邦訳)が出版された。

漫画家・ドキュメンタリー監督・経営コンサルタントなど、複数の職業を持つ数百名を取材したものだ。

彼らは一つの職業では満足できず、いくつもの職業を掛け持ちしている。自己紹介をするとき、複数の肩書きや身分、収入源があると示すために、職業をスラッシュで区切って並べることから、「スラッシュワーカー」と呼ばれる。

この言葉は当初、ベンチャー業界や若者の間で流行したのち世界的に広まっていった。よりよい働き方や生き方を模索する多くの若者だけでなく、ベテランの労働者にも影響を与えた。長年、生活を犠牲にして必死で働いてきた彼らが、自分のやりたかったことを思い出し、生活の充実を求めて副業を始めるようになった。

普通の人からすれば、オードリーこそ「スラッシュ族」(中国語で斜槓(シエガン)族)の代表に見えるだろう。

14歳で学校を中退したのち、独学をしながら仕事を始め、一般的な人よりおよそ10年も長いキャリアを持っている。豊富な業務経験からいくつもの肩書きがある。元デジタル担当大臣であり、市民ハッカー。右手でプログラムを書き、左手で詩を書く。世界の七つのNGOにも参加している。

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