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バカげた閣僚人事にも「トランプの賢さ」が見える...今後を占う「6つのポイント」

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月21日 15時4分

トランプは1期目で多くを学んだ。だから「プロジェクト2025」を熱烈に支持する2人を、上院の承認を必要としない要職に就けた。

国境管理(つまり移民の流入規制)を仕切る「ボーダー・ツァー(国境皇帝)」にトム・ホーマン元移民関税執行局(ICE)局長代理、大統領次席補佐官には元大統領上級顧問で移民嫌いのスティーブン・ミラーだ。

これで議会民主党の追及を受けることなく「プロジェクト2025」の提言を粛々と実行に移せる。トランプは賢い。まるで狐だ。

4. イーロン・マスクの権限は?

今のマスクはまるでトランプ家の一員だ。フロリダの邸宅マールアラーゴでは、一族と一緒に記念写真に納まっている。

買収したX(旧ツイッター)を最大限に利用して都合のよい情報を拡散させ、自分の設立したスーパーPAC(特別政治活動委員会)を通じて莫大な選挙資金を提供した功績ゆえの特別待遇だろう。

そのマスクを、トランプは官僚機構の効率化と整理・縮小を指揮する新組織、政府効率化省(DOGE)のトップに起用した。副官に抜擢されたのは、人呼んで「小トランプ」の実業家ビベック・ラマスワミ。もちろん目指すは「小さな政府」だ。

しかし、これはマスクを祭り上げる巧妙な策略かもしれない。なにしろマスクは車もSNSも宇宙開発も変えてきたスーパースターであり、トランプが夢見る「世界一の大富豪」の座をあっさり手に入れてしまった男。

そんな超人が近くにいては目障りだから、体よく脇に追いやった。そう読むこともできる。

5. トランプ2.0の新星は誰?

新星は国連大使に起用されたエリス・ステファニク下院議員だ。女性として最年少で連邦議員に選ばれた頃は穏健な主張を掲げ、民主党員と見まがうばかりだったが、今ではトランプの熱烈な支持者の一人だ。

激しやすく、党派的な人物ではあるが、国連大使のポストは政治的に飛躍する絶好の足がかりとなり得る。いずれは下院議長との呼び声も高いが、その先に見据えている大きな目標は大統領だろう。

ちなみにジョージ・ブッシュ(父)は国連大使から大統領になったし、マデリン・オルブライトは国連大使を経て国務長官まで出世している。

国連の場で、アメリカ代表として立ち回ればステファニクの知名度は一気に上がる。そしていつの日か、ホワイトハウスへの道を歩み始めることだろう。

6. 娘婿クシュナーはどこに?

1期目のトランプ政権で、娘婿ジャレッド・クシュナーは最も広範かつ重要な役割を果たした。しかし今は政治の表舞台から姿を消している。

クシュナーは元民主党員だから、21年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件以後は義父から距離を置いているという説もある。だが彼はホワイトハウスでの地位を利用してサウジアラビアやカタールで稼いできた。

サウジの政府系ファンドはクシュナー絡みの案件について難色を示していたが、皇太子ムハンマド・ビン・サルマンの鶴の一声で承認された。なにしろ第1次トランプ政権でのクシュナーは、ムハンマドの最大の支援者だった。

そんな金づるとの関係を断ち切って、クシュナーがホワイトハウスに復帰する可能性はあるだろうか。義父とワイルズの関係がこじれれば、あり得る。現状ではワイルズが大統領の右腕だが、いざとなればクシュナーの出番になるだろう。

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