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トランプを勝たせたアメリカは馬鹿でも人種差別主義でもない

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月27日 18時41分

でも僕が聞くかぎり、人々がトランプを人種差別で非難するときはいつだって、彼が不法滞在の外国人を送還するから、というのがその根拠だった。さらなる根拠として彼らは、そうした外国人が何百万人にも上ることや、彼らを排除するための法律がいかに衝撃的か、という点を挙げるだろう。

とはいえ、シンプルに言い換えるなら、それは「法を実行すること」であり「国境を守ること」であるように思える。それは、人種を問わずほとんどの人が「人種差別」と感じるよりも当然のように「良いことだ」と考えるものだろう。さらに、不法移民問題は驚異的な規模に膨れ上がっていると認識している人が大多数だからこそ、トランプはいっそう支持を受けた。

トランプ支持者たちはゴミだとジョー・バイデン大統領が口を滑らせたことは、多くのアメリカ人が、民主党は心の奥底では自分たちに同意しない人々を実際にはそんなふうに捉えているのではないかと疑っているだけに、余計に問題を呼んだ。

これに匹敵する出来事が、2010年のイギリス総選挙で、当時首相だったゴードン・ブラウンが取った行動だ。遊説中、労働者階級の女性から政権の開放的な移民政策について抗議されたブラウンは、車に乗り込んだ後に「偏狭な差別女め」と吐き捨てた。彼はマイクがオンになったままであることに気付いておらず、この発言はニュースで報じられた。それは、多くのイギリス人の言うところの「仮面がはがれた」瞬間だった。

強調しておきたいのは、僕はトランプを支持しているわけではないし彼の政策も好きではないということだ。念のために言っておくと、彼には数多くの深刻な欠陥があると思う。でも、トランプが勝利し民主党が負けたのには数々の理由があり、単にアメリカ国民が愚かで人種差別主義者だからという理由では決してないのだ。

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