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ホームレスは助け合うのか、それとも冷淡で孤独なのか...不思議な「兄弟分」の物語

ニューズウィーク日本版 / 2024年11月27日 18時45分

しかし、私は何度か、斉藤さんがボランティア団体からもらったカップラーメンなどの食料を桂さんにあげている場面は見た。桂さんが気を遣わずに受け取れるように、斉藤さんはわざわざ「私は食べ慣れていないから」と強調していた。

とはいえ、桂さんにとって、隣に斉藤さんのような信頼できる友人がいることそのものが、天の恵みのようなものなのだろう。何かあったらすぐに相談できるし、誰かと話をしたいと思ったら、声をかければ斉藤さんがすぐ来てくれる。

それだけでなく、夜中の野外では兄弟分のいびきが聞こえる。孤独なホームレス生活で寂しさを和らげ、恐怖を取り除き、安心して眠るための最高の安眠法ではないだろうか。

※ルポ第14話(12月4日公開予定)に続く

(編集協力:中川弘子)

[筆者]
趙海成(チャオ・ハイチェン)
1982年に北京対外貿易学院(現在の対外経済貿易大学)日本語学科を卒業。1985年に来日し、日本大学芸術学部でテレビ理論を専攻。1988年には日本初の在日中国人向け中国語新聞「留学生新聞」の創刊に携わり、初代編集長を10年間務めた。現在はフリーのライター/カメラマンとして活躍している。著書に『在日中国人33人の それでも私たちが日本を好きな理由』(CCCメディアハウス)、『私たちはこうしてゼロから挑戦した──在日中国人14人の成功物語』(アルファベータブックス)などがある。




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