ミュージカルは「なぜいきなり歌うのか?」...問いの答えは、意外にもシンプルだった
ニューズウィーク日本版 / 2025年1月9日 17時8分
また、映画やテレビなどの映像メディアでは、俳優の顔や手がアップになることで、大げさな表情を作る必要がなくなったこともある。
それに対して、スタニスラフスキーが登場するよりも前に成立した世界各地の演劇は、「口調」や「身ぶり」がつねに「型」をともない、その「型」をとおして「意味」を観客に伝えてきた。舞台上で演じられる「型」をとおして、観客はその場面や登場人物の心情を想像する。
たいするスタニスラフスキー流の「リアリズム演劇」では、俳優の、そして観客の「感覚」を通してせりふや身ぶりに意味を見出していくように演技することが求められる。
どちらの演劇も「伝わる」ことを求めている。ただ、そのアプローチのしかたが異なるのである。
[引用文献]
松岡正剛「第1007夜 岩淵達治・早崎えりな『クルト・ヴァイル』」、『松岡正剛の千夜千冊』、2005年(2024年7月15日閲覧)
『ミュージカルの解剖学』
長屋晃一[著]
春秋社[刊]
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長屋晃一
1983年生まれ。愛知県出身。國學院大學文学部卒(考古学)。慶應義塾大学大学院文学研究科にて音楽学を学ぶ。博士課程単位取得退学。修士(芸術学)。現在、立教大学、慶應義塾大学他で非常勤講師。19世紀のイタリア・オペラにおける音楽と演出の関係、オペラ・音楽劇のドラマトゥルギーについて研究を行っている。「ヴェルディにおける音楽の「色合い」:《ドミノの復讐》の検閲をめぐる資料から」(『國學院雑誌』、2023年)、「音楽化される川端康成:歌謡曲からオペラまで」(共著『〈転生〉する川端康成』、2024年)他。また、研究に加えて、舞台やオペラの脚本も手掛けている。オペラ《ハーメルンの笛吹き男》(一柳慧作曲、田尾下哲との共同脚本、2013年)、音楽狂言『寿来爺(SUKURUJI)』(ヴァルター・ギーガー作曲、2015年)他。
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