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「ロマコメの神様」ノーラ・エフロンが女性たちに届けたかったメッセージとは?...「人生は全てネタの材料」

ニューズウィーク日本版 / 2024年12月31日 10時20分

「ノーラの食べ物に対する愛は、ロマコメそのものだ。食べ物は文化や彼女の生き方を象徴している。ノーラ自身が食べ物にとてもこだわりがあることは知られていたから、映画の中で(特に食べ物を注文する場面は)彼女自身を見ているような感覚になる」

「『めぐり逢えたら』のアップルパイ、『恋人たちの予感』のサンドイッチ。主人公の女性たちが注文する場面には、妥協するなという大きなメッセージが込められているのだろう。こだわりを持って、欲しいものを頼もう、と」カプランは新著で、エフロン作品の中でも見過ごされがちなのは『心みだれて』だと指摘する。

「これは別れのロマコメだ。でも、多くの美しさもある。(ストリープが演じる)レイチェルの成長を見るのが私はとても好きだ。彼女はノーラの作品に出てくる多くの人物と同じように、勇敢な選択をする。それは決して簡単なことではない」

エフロンの映画の多くでは、ユーモアの皮をめくると個人の苦悩が隠れている。「苦悩には登場人物を形作るのに役立つ側面もある」と、カプランは言う。

インパクトのある台詞

エフロンが71歳で白血病による肺炎のため死去してから12年がたってなお、彼女のレガシーが息づいていることもカプランは分析している。

例えば、エフロンは秋のファッションの守護聖人となり、ソーシャルメディアにはメグ・ライアンが映画で着た服装があふれている。

 

「『恋人たちの予感』のサリーがざっくりとしたセーターを着ている姿や、『ユー・ガット・メール』のキャスリーンがカーディガンを着てカボチャを抱えてニューヨークの街を歩く場面は秋の象徴になっている。季節の変わり目と、誰もが大好きで懐かしくなるポップカルチャーが結び付いている。ノーラ・エフロンは秋の代名詞になった」

『恋人たちの予感』『めぐり逢えたら』『ユー・ガット・メール』はエフロンのキャリアを語る際に必ず言及されるが、彼女はロマコメの女王以上の存在なのだとカプランは主張する。

「彼女の作品に一貫しているのは、インパクトのある書き方だ。ロマコメ以外の映画でも、印象に残るのは彼女の書くせりふだ。決して評価が高くない作品もあるが、ノーラ・エフロンらしい脚本とノーラ・エフロンらしいせりふにハッとさせられる」

『心みだれて』で陣痛を迎えたレイチェル(ストリープ)がマーク(ニコルソン)に励まされて、「もう頑張りたくない。誰か代わりにやってくれないの?」と訴える。

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