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トランプ「反・気候変動」時代到来で思い出すべき、京都議定書での日本の過ち──蟹江憲史教授

ニューズウィーク日本版 / 2024年12月27日 15時15分

2024年11月にアゼルバイジャンの首都バクーで開かれたCOP29(国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議)では議論が紛糾した Maxim Shemetov- REUTERS

――COP(国連気候変動枠組み条約締約国会議)について聞きたい。2024年はアゼルバイジャンでCOP29が開かれ、2025年はブラジルでCOP30が開催される。これまでにいくつか、京都議定書(1997年、COP3)やパリ協定(2015年、COP21)などのハイライトがあったが、今後もCOPはルールメイキングの場として機能し続けるのか。それとも、先進国と途上国の間での対立も実際に見られるし、影響力は弱まっているのか。

蟹江 COPは1年に1度、(専門家や政策担当者らが)集まってルールを決めたり検証したりするメカニズムの1つであり、それは気候変動枠組み条約が続く限り今後も続いていく。ただ、私も以前は毎年行っていたが、ここ7~8年は行っておらず、その間に雰囲気はかなり変わったと聞いている。

近年は国際交渉のサイドイベントとして、ビジネスの関係者が集まるエキスポ的な情報交換の場にもなっているようだ。実際に見ていないのでなんとも言えないが、交渉があまり進まない一方で、ビジネスの側面は活発なので、私のような研究者よりも、金融関係とかメーカーの人がCOPに行くという話をよく聞く。それはパリ協定以降、ビジネスやファイナンスといった政府以外のところも気候変動対策に力を入れ始めたこととも関係している。

そうした現状があり、今後もそういう場として機能し続けるのではないか。

――それはそれで意味がある、と。

蟹江 意味があると思います。

また、COPは(気候変動対策の進捗を)検証する場でもある。以前は、国際的なルールを決める場というイメージが強かったが、現在は(各国がそれぞれ)自分の目標に向けてやるべき対策をやって、それらを集めて、科学的な評価をする、ダメだったらプレッシャーをかける、という形になっている。

SDGsと同じだ。各国がそれぞれ目標に向けて対策をし、そのレビューを国際的な枠組みの中でどこまで突っ込んでやっていくか。

ただ、気候変動に関しては、IPCCが科学と政策とが協調する場としてきちんと機能しているので、(アメリカがトランプ政権になっても)この形は続いていくだろう。

――「気候変動に関しては」と仰いました。SDGsについてはどうか。

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