1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

アルミ缶収集だけではない...ホームレスの仕事・生き方は10種類ぐらいある

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月11日 10時55分

1つ目は、集めたアルミ缶を売る仕事。

本シリーズの第2話の中ですでに紹介したが、ここでも補足したい。

アルミ缶を売ってお金を稼ぐ、ホームレスにとって重要なこの生存手段に懸念すべき小さな変化が現れている。近い将来、ひょっとしたらこの仕事は、ホームレスでない人に奪われるかもしれない。

不景気で、定住所があっても失業や賃金減で生活が苦しくなった人なども、アルミ缶拾いを始めているようだ。それだけでなく、どこの国ともなく、外国人の「機械化部隊」が現れた。彼らは軽トラックでやって来て、住民のゴミ捨て場からアルミ缶を瞬時に持って行ってしまうという。

これは明らかにホームレスたちの生計を左右する問題だ。失業でホームレスになった人は、これから2度目の失業の打撃に直面するかもしれない。

日本では、手段はともかく、ゴミ捨て場などに出されたアルミ缶を勝手に持っていくことは、法律や条例に違反する行為とされている。東京や他の地方都市では、車でアルミ缶を集めて換金した外国人に罰金を科す例がすでに出ているのだ。

私が知っている数人のホームレスは、自分たちの安定したアルミ缶「サプライチェーン」を持っているので、まだその影響を受けておらず、心配もなさそうだ。

彼らの「サプライチェーン」とは、簡単に言えば、こういうことだ。彼らと、一部のビル管理人や住宅地のおじいさん・おばあさんとの間に、ある種の了解と黙認が成立している。決まった時間にゴミ捨て場からアルミ缶を持って行くかぎりは、決して「自分勝手」な行為と見られず、通報されたり、罰金を科されたりすることが避けられるという。

日雇い労働、アルミ缶以外の資源回収、ゴミ箱から食べ物...

2つ目は、建設現場での日雇い労働者としての道。

これは工事現場での肉体労働なので、身体が弱いお年寄りにはできない。請負業者は、原則として65歳以下のホームレスしか雇わないという話も聞く。

3つ目は、アルバイトや修理サービス。

公園や道路や河川敷などの清掃作業とか、店の広告看板を持って街頭で宣伝を行うこととか、個人で自転車修理のサービスなど、さまざまだ。

4つ目は、アルミ缶以外の回収可能な資源を集めて売る商売。

主に、廃棄されたケーブルや金属ゴミなどを集めて売る。中でも、銅線や各種のフライパンの売価が比較的高い。フライパンはアルミと鉄をミックスして出来た商品なので、売るために、アルミと鉄を分ける手作業が必要だという。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください