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Z世代の45%は「酒を飲んだことがない」...アルコールを出さない「しらふバー」が「意外な目的」で人気に?

ニューズウィーク日本版 / 2025年1月23日 14時38分

Tom Holland for #Bero, his new non-alcoholic beer company. pic.twitter.com/KC9i7IDNi7— Film Crave (@_filmcrave) October 16, 2024 ノンアルコールビールのブランド「BERO」の広告

「その背景には個人的な経験がある。2年間禁酒して、このライフスタイルと価値観を反映したものを作りたいと思った」とホランドは語る。「アルコールの代わりが欲しい人だけでなく、純粋にクオリティーの高い飲み物が好きで、充実した毎日を送りたい全ての人に贈りたい」

 

シュフェルトも、自身が作っているノンアルコールビールは「酒に取って代わろうとしている」のではなく、飲酒量を制限したい人や、アルコール抜きのライフスタイルに興味がある人たちに選択肢を提供しているのだと語る。

「それまではパブでビールを4杯飲んでいた人が、1杯だけで我慢するのではなく、途中にノンアルコールビールを挟みながら何杯も飲む形もあり得る」

アルコール・チェンジを率いるパイパーも、たまに酒を飲むと言う。17年にアルコール・チェンジのCEOに任命された頃は、日常的に飲んでいたが、18年1月に初めてドライ・ジャニュアリーを成し遂げたとき、酒との関係を見直し始めた。

だが、何よりショックを受けたのは、翌年、引き出しいっぱいのTシャツを整理していたときだった。「私が持っているTシャツの半分は、アルコール飲料のロゴが入っていた」と、パイパーは振り返る。

「それを見て、『一体私は何をしているんだ』と思った。まるで酒類メーカーの歩く広告じゃないか、とね」

「そういうTシャツを着るたびに、『オレは酒が大好きだ、カッコイイだろう』と暗に言っていたわけだ。愚かだろう? だから、記念に何枚か残して、あとは全部処分した。(アルコール・チェンジは)こうした考え方の変化を多くの人に起こしたいと思っている」

増えるノンアルコールバー

ヘーゼルデン・ベティ・フォード財団のリーは、悪質なマーケティングがアルコール依存に陥りやすい人たちを食い物にしていると批判する。リーによると、デューク大学の経済学者フィリップ・クック教授は近著で、アメリカのアルコール消費の80%は飲酒可能年齢人口のわずか20%によるものだという。

「ここ10年ほど、酒類はロゼワインやクラフトビールなど、非常にクリーンなイメージで売られてきた」と、リーは指摘する。「その結果、飲酒関連のトラブルが大幅に増えた。最近ノンアルコール飲料の市場が急拡大しているのは、おそらくこうした状況に対する有機的な反応だ」

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