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「103万円の壁」見直しではなく「壁なし税制」を...金持ち優遇をなくす「3つの方法」

ニューズウィーク日本版 / 2025年2月2日 14時25分

もちろん、消費税という形で、既に全員が税金を納めているのだが、僕の案では、所得税も所得のある全員から徴収する。

しかし、全員が納めるとしても、同じ税率ではない。所得の低い人は税率0.1%からでもスタートしよう。所得が増えると⇒0.2%⇒0.3%と、0.1%ずつ税率が上がっていく、現行制度で見られる5%⇒10%⇒20%......という「階段」ではなく、緩やかなスロープ式にしよう。

例えば現在、(手取りはあまり変わらないとはいえ)所得が329万9000円までは10%で、330万円以上が20%と、跳ね上がる税率が気になる人もいるだろう。が、それが19.9%から20.0%だと気づきもしないだろう。でもステルスとか言わないでください。壁無し税制だ!

次は社会保障。まず、国民保険・社会保険と国民年金・厚生年金の二重構造を解消しよう。分ける必要はない(どちらも英語のcupから来ているのに日本語では「コップ」と「カップ」に使い分ける二重構造もどうにかしたいけど、それはまた今度)。

現在の社会保障制度では、労働時間が週20時間以下の社員、従業員が50人以下の企業、などと線引きされているため、その線を超えないように働き控えする人もいれば「働かせ控え」や「雇い控え」する企業もある。もったいない!

もう分けないでいこう。全員同じ制度にまとめて、徴収も管理も窓口を一元化する。今の社会保険にみられる労使折半を維持してもいいけど、バイト代も含めて、全ての賃金に適応しよう。

自営業、フリーランスの方は全額負担になるが、もちろんそれは、提供している商品やサービスの値段に盛り込んでいいはず。所得のない人は当然公金で補助することになるが、それは現行制度と大して変わらない。

もっとシンプルにするなら、労使折半をやめて、以前から議論されている「税と社会保障の一体改革(本当の意味での)」を目指してもいいかもしれない(税収の問題を考えなければいけないけど)。そこにスロープ式課税を加えれば、僕も賛成だ。

とにかく、国民の間の隔たりをなくして制度も手続きも簡略化しよう。もったいない!も、面倒くさい!もなくそう。

そして、大胆に、控除もなくそう!

控除は高所得者ほど節税になる...いいのか?

いやいや「みんなが税金を払う!」とか「控除もなし!」とか、そんなキャッチコピーじゃ、絶対に売れないね、この案は!と、また突っ込まれそう。だが、やはり最後まで聞いてください。

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