『ジョーズ』の元ネタが怖すぎる！リゾート地で子どもを襲い、住民はダイナマイトで応戦…映画よりも恐ろしい結末とは？

ニコニコニュース / 2023年7月18日 18時30分

　今回紹介するニコニコ動画は、網澤さんが投稿した『【ゆっくり解説】サメによる水難事故「ニュージャージー州サメ襲撃事件」』という動画。

　音声読み上げソフトを使用して、同人ゲーム『東方Project』の博麗霊夢と霧雨魔理沙の二人のキャラクターが、映画『ジョーズ』の元ネタにもなった実際の事件である「ニュージャージー州サメ襲撃事件」について解説を行います。

『ジョーズ』の元ネタが怖すぎる！　リゾート地で子どもを襲い、住民はダイナマイトで応戦…映画よりも恐ろしい結末とは？ — 「ホオジロザメ」
（画像はWikipediaより）

■平和なリゾート地での突然のサメ襲撃

霊夢：
　今回はあのサメ映画界の金字塔、『ジョーズ』の元ネタにもなった「ニュージャージー州サメ襲撃事件」についてゆっくり解説していくよ

魔理沙：
　ニュージャージー州か。アメリカなのはわかるけど、具体的にどこら辺にあるんだ？

霊夢：
　ニュージャージー州はアメリカ東部の大西洋沿岸にある州で、海沿いにあることからシーズンになると海水浴をしに観光客が多く訪れるんだ。

　そして、この事故は1916年の7月1日の海水浴客で賑わうリゾート海岸で起きたんだ。襲われたのは、当時この海岸で遊泳をしていた男性だよ。

魔理沙：
　平和なリゾート地での突然のサメの襲撃。現場がかなりのパニックになったのが想像できるぜ。

霊夢：
　パニックにはなったと思うけど、当時はサメが人を襲うとは誰も思ってなかったんだ。だから、海洋生物学者たちもサメ以外の別の生き物が襲ったんだと考えていたんだよ。

魔理沙：
　マジか、誰もサメの仕業だって思わなかったのかよ。

霊夢：
　そりゃあね。この事故がきっかけでサメ＝人食いモンスターっていう私たちの認識が出来上がったんだもん。当時の人たちからしたら謎の生物の襲撃って感じにとらえられていたと思うよ。

　現代の私達はサメと言えば「海のギャング」「危険な生き物」というイメージがありますが、当時はそうでもなかったようです。「そういえばアメリカって海水浴出来る所って少ないんだよな」「想像してたより古い事件なんやね」といったコメントが寄せられました。

■現地の観光産業に大損害を……

霊夢：
　襲われた男性が死亡してから5日後、泳いでいたホテルの従業員がサメに襲われてしまったんだ。すぐにライフガードによって救出されたんだけど、両足を食いちぎられてしまっていて、その後死亡してしまったんだ。

　リゾート地ということもあって、この従業員が両足を失い、死亡したという事故を目の当たりにした人が多かったんだ。またこの時の様子を目撃した人も多数いたため、このショッキングな事故は新聞に大々的に報じられたんだ。

　両足を食いちぎられる様子が新聞で報じられたというショッキングな出来事に、コメントでは「海水浴シーズンで目撃したとか、たまにニュースになってるなぁ」「ガチでサメ映画みたいやん」といったものが寄せられました。

霊夢：
　この新聞の影響が凄まじく、シーズン真っ盛りのリゾート地から海水浴客が消え去ってしまい、現地の観光産業はとてつもない損害を受けることになってしまったんだよ。

魔理沙：
　確かに、そんな凄惨な事故を大々的に報道されてしまったら誰もそんなところで泳ぎたくなくなるもんな。

霊夢：
　だからこれ以降海水浴客が襲われることは無くなったよ。これは不幸中の幸いだったのかもね。

魔理沙：
　海水浴客が、ってことはそうじゃない人、つまり地元の人達の被害があったってことか？

霊夢：
　3度目の襲撃は2度目の襲撃から6日後の7月12日、2度目の現場から約50キロメートル離れたマタワン川の上流で起こったんだ。この川の桟橋付近で泳いでいた地元の少年の1人が、突如水中に沈み、直後に水面が赤く染まったんだ。

　これを見た少年たちは急いで陸に上がり、近所の大人たちに助けを求めに行ったんだ。

　なんと、海ではなく淡水の川にもサメの被害は広がってしまったのでした。「川でも下層の方は海水が入り込んでる場合があるんだよな」「ホラーすぎる」というコメントが寄せられました。

魔理沙：
　とうとう子どもにまで被害が及んでしまったのか、可哀想に。

霊夢：
　襲撃を知った大人たちもそんな気持ちだったんだろうね。大慌てで現場に駆けつけた大人たち数人が水の中に入って、襲われた少年を探したんだ。

魔理沙：
　おいおい、大丈夫なのか。さっきサメが現れた川なんだろ？

霊夢：
　そんなこんなで捜索が始まったんだけど、川の水が濁っていてなかなか見つからなかったんだ。

　そんな悪条件の中、懸命に捜索を続けていると、捜索隊の1人が川の底で少年をくわえているサメを見つけたんだ。この捜索隊員はスタンレー・フィッシャーというんだけど、彼はこのサメに勇敢に殴りかかり、少年をサメの顎からはなすことに成功したんだ。

魔理沙：
　なぐりかかった？凄いな。

霊夢：
　うん、だけどこのときにサメに足を噛まれてしまったんだ。フィッシャーはその後、他の救助に来た大人たちに川から引き揚げられたんだけど、出血が激しく、かなりの重傷だったんだ。

　勇敢にも素手でサメに立ち向かった男性に「尊敬するわ」「やっぱり物理が最強やねんな」といったコメントが寄せられました。

■サメを退治するため連日川にダイナマイトを……

霊夢：
　そしてフィッシャーの方はというと、現地で彼の怪我を治せる医者がいなかったから鉄道で50キロメートル離れた病院へ運ぶことになったんだ。

　だけど、懸命な治療も虚しく彼は死亡してしまったんだ。また、この襲撃の直後、この騒ぎを知らずに近くを泳いでいた少年にもサメが襲いかかり、1人が足に大怪我を負ってしまったんだ。

　また、最初に襲われた少年の遺体も後日に行われた捜索で見つかったよ。

魔理沙：
　こちらも見つかってよかった。川の底からずっとなんてのは可哀想だからな。

霊夢：
　多数の犠牲者を生んだこれらの襲撃を受けたマタワンの住人はサメに対して復讐することを決めたんだ。そのためサメに懸賞金をかけ、ダイナマイトを連日川に投げ込むなどの捜索を行ったんだけど、結局見つかることはなかったんだ。

　地域住民のサメへの怒りは相当なものだったようです。コメントでは「無茶苦茶するなぁ」「今なら色んな団体がすっ飛んでくるな」といったコメントが寄せられました。

霊夢：
　マタワン川での襲撃から2日後、海で漁をしていた剥製行舎の船の網に2.5メートルほどのホオジロザメが掛かったんだ。すぐに殺して持ち帰り、この業者がサメの胃を裂いてみると中から人間の骨と思われるものが出てきたんだ。

　このことから一連の襲撃事件の犯人はこのホオジロザメであるとされ、この騒動は終息することになったんだ。実際この捕獲以降、人間がサメに襲われることは無くなったんだ。

魔理沙：
　良かった。これでもうサメに怯えなくて済むんだな。

霊夢：
　捕獲されたサメはホオジロザメなんだよ。ホオジロザメは淡水域では生息できないんだよ。

魔理沙：
　えっ？

霊夢：
　そして、襲撃現場には淡水域であるマタワン川が含まれている。少なくとも川での襲撃はホオジロザメではなく、淡水域でも生息可能なオオメジロザメではないかとされているんだよ。

　つまりこの襲撃事件は映画『ジョーズ』のような一匹のホオジロザメによって引き起こされたものではなく、複数のサメがたまたま同時期に同じ地域でおきたものではないかとされているんだよ。

　事件は一応の解決を迎えたものの、実際に少年を襲ったサメは別にいるのではないかという説に「ホラーかな？」「複数犯かー」といったコメントが寄せられました。

霊夢：
　この事件をきっかけにして、サメは危険は生物だということがわかったんだ。ちなみにジョーズの公開の後、この映画に影響を受けてホオジロザメが乱獲されてしまったんだ。そのため現在は絶滅の危機にさらされているよ。

　ホオジロザメ自体はそもそも積極的に人を襲う生き物じゃないんだよ。よくあるホオジロザメによる水難事故っていうのは餌であるアザラシと間違えて襲われるというものばかりなんだ。

　確かに結果的に人が死んでしまうこともあるんだけど、そこまで危険な生き物ってわけでもないんだ。

　この事件をベースに脚本が書かれた映画『ジョーズ』のヒットが、逆に現在のホオジロザメの絶滅危機に影響しているという話に「そうなんだよねぇ。積極的に人は襲わないから」「戦争映画で沖に出てくるサメはヨゴレかな」といったコメントが寄せられました。

　二人の解説をノーカットで楽しみたい方はぜひ動画をご視聴ください。