ヘンリー王子のESPY「パット・ティルマン功労賞」に反発の声、元英海軍司令官「辞退すべき」

ヘンリー王子（左）とメーガン妃（2019年6月撮影）

英国のヘンリー王子（39）が、スポーツ界のアカデミー賞とされるESPY賞の「パット・ティルマン功労賞」を受賞することを巡って反発が上がっていることに対し、元英国海軍司令官が「辞退すべき」と勧告した。

ESPY賞は米スポーツ専門局ESPNが1993年に創設した年間表彰で、王子が受賞するのはアフガニスタンでの戦闘中に味方の誤射で亡くなった米陸軍の志願レンジャー部隊に入隊した元NFL選手パット・ティルマン氏の功績をたたえる賞。他者に貢献したスポーツと関わりの深い人物に贈られるものだが、ティルマン氏の母親が「他にふさわしい人物がいる」と批判するなど波紋を広げている。

02年から06年まで英海軍のトップを務めたアラン・ウェスト提督は、英メールオンラインに対し、「（賞を受け取ることは）軍人の間ではよく思われていない。亡くなった男性の母親が、王子にこの賞を受け取ってほしくないと考えているなら、そのことについて熟考すべき」とコメント。「王子へのアドバイスは、身を引いて、賞を受け取らないことだ。彼は知名度が高く、人々がそれを利用したがっている。王子にとってはむしろ悪い評判になる」と話し、優れたパイロットであることや並外れた勇敢さについての賞を受け取ることについて、真剣にじっくり考えるべきだとアドバイスしている。

王子は、自身が立ち上げた負傷兵士らのための国際スポーツ大会インビクタスゲームでの功績が認められたことでノミネートされており、授賞式は11日にロサンゼルスで行われる。しかし、6万人を超える反対署名も集まっており、授賞式でのスピーチにも注目が集まっている。（ロサンゼルス＝千歳香奈子通信員）