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発明家・道脇裕「ものごとは肯定的に批判せよ」

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年11月21日 23時7分

発明家・道脇裕「ものごとは肯定的に批判せよ」

黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(11月5日放送)に株式会社ネジロウ代表取締役社長の道脇裕が出演「肯定的に批判する」ということについて語った。

道脇裕 / 株式会社ネジロウ代表取締役社長

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。11月1日(月)~11月5日(金)のゲストは株式会社ネジロウ代表取締役社長の道脇裕が出演。5日目は、「肯定的に批判する」ということについて—

黒木)道脇さんは、「生きるとは何か」、「何のために生きるのか」ということを、3歳のときに考えていらしたということです。最初に「ダメだ」と直感的に思っても、まずは受け入れて「本当にダメかどうか」、「何がどうダメなのか」を検証してみるということを、人生で繰り返して来た。「やる前からダメだ」と言う人が多過ぎる。「ものごとは肯定的に批判しなければいけません」とおっしゃっていますが。

道脇)そのままなのですが、「ものごとは肯定的に批判せよ」ということを、私は十代のころから考えて言って来ました。自分自身にも言い聞かせて座右の銘のような形になっていると思いますが、「肯定する」というのは呼んで字の如くです。

黒木)肯定するということ。

道脇)問題は、「批判せよ」という部分の「批判」というのに皆さん、引っかかるのだと思いますけれども、「批判」には「否定」の意味合いはないのです。現代社会のなかで誤認などからそういう意味合いが含まれてしまっている傾向がありますが、批判というのは、批評するの「批」です。「判」は判断の「判」ですから、「批評的に判断する」。言い換えれば、「分析的に考えましょう」ということです。

黒木)肯定的に分析しましょうと。

道脇)それが、「ものごとは肯定的に批判せよ」ということなのです。ですから、最初の入り口から「そんなものは実現できるわけない」とか、「それは間違っている」とか、「これは嫌だ」と言い始めると、そこで終わってしまうのです。

黒木)そうですね。

道脇)その先が始まらなくなってしまいます。特に、新しいものを考えようとか、ある種の課題を解決しようとなると、「できない」ということを前提としてしまったら、そこで終わってしまうのです。

黒木)そうですね。やる気もないし。

道脇)「こんなもの、できるわけない」と言い出したら、そこで終わりではないですか。なので、まず、そういう気持ちは1回、どこかに置き、肯定から入ってみましょう。すると、自ずから「これは何とかならないのかな」、「もしかしたら実現できるかも」という気持ちになるのです。

黒木)肯定から入れば。

道脇)すると、「どうすれば実現できるのだろう」「どうやったら解決できるのだろう」という気持ちに変わって来るわけです。そこからいろいろなアイデアや、「こうやったらどうだろう」「こうやってもダメなのかな」「こうだったら、ああだったら」ということが解決できるまで続くと、簡単に解決できてしまうのです。

黒木)だから、ものごとは肯定する。

道脇)肯定から入るということがまず大事です。ただ、肯定するだけだと、「すべてを受け入れてしまう」ということになって、「間違いも受け入れてしまう」ということになり、それはまた違うわけです。

黒木)それは違う。

道脇)なので、そこで分析的に考える。「批判する」ということが必要になるわけです。肯定的な立場に立って、客観的に眺めながら、「何が正しくて、何が違ってそうなるのか」という、そういう視点でものごとを見れば、より確かに前に進んで行ける。

黒木)何が正しくて、何が違うのか。

道脇)これは、ある種の課題を解決するとか、発明するとかということだけではなくて、人間関係も同じで、子どもに対して否定するとか、あるいは部下のアイデアを否定するとか、もっと言うと、自分のアイデアを否定する人も日本には多いのではないかと思います。

黒木)自分のアイデアも。

道脇)せっかく自分のなかで思いついても、それを自分で否定してしまって、消してしまう。前に進まなくなってしまうということが多いと思います。特に、相手に対してやってしまうと、人間関係も崩れてしまいます。それが肯定から入れば、それが潤滑剤になって、先に進んで行くのです。

道脇裕 / 株式会社ネジロウ代表取締役社長

道脇裕 / 株式会社ネジロウ代表取締役社長

◎社会や企業が「どうしても解決することが出来なかった問題」「困りごと」を常識を打ち破る発明で次々と解決する発明家。

■1977年・群馬県生まれ。発明家・技術者。幼少期から2万件の発明・考案。
■1988年、小学5年生のとき、学校教育に疑問を抱き・小学校を自主休学。物理学者であった母親の研究室で実験や電子工作などに熱中。
■中学時代は漁師やとび職などを経験。
■19歳のとき、自転車事故を経験し、緩まないネジの構造を思い付く。
■2009年に「株式会社ネジロウ」を設立。これまでの「緩まないネジは作れない」という業界の常識を破り、世界初の絶対に緩まないネジ「L/Rネジ」を考案。2000年以上、誰も解決できなかった超難題をその発想で解決した。
■そのほか、高速道路の消音システム、放射線による被爆を防ぐための装置、さらには高齢者など握力の弱い人でも簡単にペットボトルの蓋を開けられる器具など、発明は多岐にわたり、500以上の特許を取得。

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