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「ChatGPT」開発CEO 岸田総理にG7での“規制ばかりでない”議論を要望か

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年5月3日 11時35分

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岸田文雄首相と面会後記者団の取材に応じる、対話型ソフト「チャットGPT」開発元の米新興企業「オープンAI」のサム・アルトマン最高経営責任者(CEO) =10日午前、首相官邸

経済アナリストのジョセフ・クラフトが5月2日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。群馬県高崎市で開催されたG7デジタル・技術相会合について解説した。

岸田文雄首相と面会後記者団の取材に応じる、対話型ソフト「チャットGPT」開発元の米新興企業「オープンAI」のサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)=2023年4月10日午前、首相官邸 写真提供:産経新聞社

G7デジタル・技術相会合が閉幕、「信頼できるAI」推進へ共同宣言

群馬県高崎市で開かれていた先進7ヵ国(G7)デジタル・技術相会合は、共通のルールに基づき個人情報の保護や偽情報に対処した「責任あるAI(人工知能)」の推進を掲げた共同声明を採択し、閉幕した。また対話型AIサービス「ChatGPT」に代表される生成AIについては、G7が継続的に議論する場を新設することで合意した。

飯田)「信頼できるAI」の推進が掲げられました。最近はChatGPTが話題になっていますからね。

ChatGPTを開発した「オープンAI」のアルトマンCEOが岸田総理と面会 ~G7でのバランスの取れた議論を要望か

クラフト)この前哨戦ではありませんが、伏線として、米新興企業「オープンAI」のアルトマン最高経営責任者(CEO)が4月に来日し、総理にも会っています。おそらくオープンAI側から訪問を要請したのでしょう。狙いとしては、生成AI技術に関して、G7の場では規制ばかり議論する欧米とは異なり、もう少しバランスの取れた議論をして欲しいということを日本側と話したのではないでしょうか。

規制が欧米より緩い日本 ~生成AI技術の遅れを取り戻したい

クラフト)今回のデジタル・技術相会合で合意されたテーマを見ると、「自由でオープンなインターネットの維持・推進」「信頼性のある自由なデータ流通の推進」「経済社会のイノベーションと新興技術の推進」とあります。このように「推進」というポジティブな合意が目立ちます。

飯田)確かにそうですね。

クラフト)日本の法律自体は、著作権やAIに関する規制が幾分緩いので、こういった技術を取り入れやすい。かつ日本としては、デジタル競争のなかで生成AIに関して遅れを取っているため、政府としては積極的に推進している姿勢が目立ちます。

新技術を取り入れることに積極的な日本に期待する企業は多い

飯田)特にヨーロッパは著作権や、データを無制限に取られることに対する忌避感が強いですよね。

クラフト)そうですね。先日、生成AI技術に直接関与しているアメリカのベンチャー投資家と話したのですが、彼はいま日本にものすごく注目しています。

飯田)そうですか。

クラフト)政府間レベルでこうした新技術を最も受け入れているのは日本です。ですから事業を展開する、あるいは技術促進を行うなかで、G7議長国である日本への期待は大きいようです。

AIの利点を最大限に活かし、リスクを最小限にする ~インターネット以来の革新的な技術で避けられないもの

飯田)生成AIに関して、日本は言語の壁が大きいぶん、遅れを取ってしまうのではないかと言われていますが、そうではないのですか?

クラフト)逆に規制面で言うと、日本はそこを先取りできるのです。岸田総理がオープンAIのCEOと会ったあとの会見では、「ポイントはAIの利点を最大限に活かしつつ、リスクを最小限にすること」だと言っています。これは生成AI企業からの要請だったのではないかと思います。私個人の意見ですが、インターネットが初めて出回ったとき以来の革新的な技術であり、我々の生活が根本的に変わる技術だと思います。

飯田)そうですよね。

クラフト)この流れは避けられません。AIがいいか悪いかという議論は愚問で、いかに技術を利用し、リスクを減らしていくかという議論に早く進まなければならないと思います。

規制を設けなければいけないところは設ける ~デジタル市場における競争政策

飯田)放っておくと規制が緩く、規制せずにやれてしまう覇権主義的な国が、先に進んでしまう可能性もありますか?

クラフト)今回の日本の役割としても「規制を緩めましょう」ではなく、「規制を設けなければいけないところは設けましょう」と。例えば今回のG7デジタル・技術相会合での合意テーマのなかには、「デジタル市場における競争政策」という項目が入っています。やはり規制すべきところはしましょうと。ただ規制ばかりの話ではなく、促進・発展するところはさせ、規制しなければならないところは規制する。この議論の枠組みを国際的につくろうという姿勢は正しいと思います。

AIによって10年後はまったく違う社会になっている可能性も

飯田)この辺りの規制のなかには、AI兵器なども入ってきますか?

クラフト)そういうところは規制しなければいけません。規制すべきところは規制する。育てるべきところは育てるということです。私はAI技術は推進すべきだと思うのですが、これが広まったら、おそらくこの番組に私の出演は必要なくなり、AIが代わりにやってくれるのではないかと、少し寂しい思いもあります。

飯田)それを言うのであればアナウンサーも要らないので、AIとAIが対話するような形になるのかも知れません。そうなったら別の仕事を探さなければなりませんね。そういう意味でも、社会全体が変革される可能性があります。

クラフト)根本的に変わると思います。10年後は全然違う社会になっているかも知れないですね。よくも悪くも。

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