「我慢の範囲を超えている」「ストレスで米国が嫌いに」 普天間の深夜・早朝の飛行、前年比34%増 戦闘機の離着陸は2.3倍に
沖縄タイムス+プラス / 2024年2月9日 10時56分
米軍普天間飛行場で2023年の1年間、戦闘機の離着陸回数(タッチ・アンド・ゴーや通過、旋回を含む)が150回に達し、前年比2.3倍に増えたことが8日、分かった。全機種の離着陸は前年比15%減の1万3612回。戦闘機を含む外来機の離着陸は3161回で、全機種に占める割合は過去最多の23%だった。日米の騒音防止協定で飛行を制限する深夜早朝(午後10時~翌午前6時)の離着陸は前年比34%増の441回あり、協定は形骸化している。(中部報道部・平島夏実)
■激しい騒音 宜野湾市は反発
宜野湾市は「外来機の飛来禁止」の立場で、戦闘機は特に騒音が激しいと反発している。一方、沖縄防衛局から米側への申し入れは「住民に与える影響を最小限にするように」との表現にとどまる。
騒音防止協定では「夜間飛行は必要最小限」と制限するが、米軍は「訓練は夜間を含めて必要」との方針。防衛局が17年度に調査を開始以降、深夜早朝の離着陸がゼロだった月は19年11月と20年12月のみで米軍の運用任せになっている。
23年の離着陸回数で、外来機は前年比4%減だったが、全体に占める割合は過去最多を更新。戦闘機のうち、FA18が126回、F35が17回、F22が4回、F15が3回。FA18の離着陸は23年8月だけで122回に上った。
■「電話も聞こえない」と苦情
普天間飛行場の北側には「ファイヤーピット」と呼ばれる給油施設があり、飛来した戦闘機が給油後に離陸する状況が繰り返されている。宜野湾市の「基地被害110番」には、市民から「子どもたちが耳を押さえて泣いています」「人間が我慢できる範囲を超えている」「ストレスがたまって米国が嫌いになる」「電話も聞こえない」などの訴えが寄せられた。
MV22オスプレイの23年の普天間飛行場での離着陸は2787回で、常駐機全体の27%だった。
鹿児島県・屋久島沖でCV22オスプレイが墜落した昨年11月の事故を受け、米軍が同年12月上旬にオスプレイの飛行停止を決めた。普天間でもオスプレイの離着陸がなくなったことが、全体の離着陸を押し下げた可能性がある。 離着陸回数はいずれも、防衛局が毎月まとめている目視調査を本紙が集計した。
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