沖縄は「うりずん」の季節 すっかり半袖モード 週末は大雨・蒸し暑さに注意

 

　4月は本州では桜が見頃を迎えますが、季節先取りの沖縄では桜シーズンは1〜2月に終了し、3月は海開き、4月になると最高気温25℃以上の夏日が出てきてすっかり半袖モードです。沖縄ではこの頃を表現する季語があり“うりずん”と表現しています。

　うりずんの由来は諸説ありますが「潤い初め(うるおいぞめ)」が語源ともいわれています。旧暦の3月ごろ～4月ごろに当たります。

梅雨前の最も過ごしやすい時期

　この時期の季語カレンダーを見てみますと、前回のコラムで紹介した旧暦の2月に低気圧が急激に発達し、風向きが大きく変わって海が大荒れになる“ニングヮチカジマーイ”の後にうりずんがやってきます。

　周期的に移動性の高気圧に覆われるこの時期は、台風はほとんど沖縄に来ない（うちなーんちゅは沖縄地方への台風の接近に関して「台風が来る、来ない」と直接的に表現しています）、梅雨入りの前ということから、沖縄では最も過ごしやすいといわれています。この後は新暦の5月の初夏の“若夏（わかなつ）”を経て、5月の大型連休の頃は梅雨時期に入ります。梅雨の時期は“スーマンボースー（小満芒種）”と表現しています。

　沖縄は本州と比べて、1年を通して気温の変化が小さくなっています。その分、四季の変化がはっきりしないともいわれていますが、季節の移ろいを表す言葉は存在しています。沖縄ならではの春うりずん、すてきな響きだと思いませんか。

　沖縄ではこの時期から紫外線が強まっていますので、観光でお越しになる際は暑さ対策、日焼け対策をお願いします。

4月14日ごろから「かなりの高温」予想

　4月4日（木）に「高温に関する早期天候情報（沖縄地方）」が沖縄気象台から発表されました。この先の沖縄地方には暖かい空気が流れ込みやすくなるため、14日（日）ごろからかなりの高温になると予想されています。農作物の管理に注意が必要です。（かなりの高温の基準:5日間平均気温平年差＋1.9℃以上）

晴れる時期生かし　衣替えもおすすめ

　4月21日（日）にかけての那覇の天気と気温の予想を見てみますと、10日（水）ごろから20日（土）ごろにかけては概ね晴れる予想です。最低気温は21℃前後、最高気温は27℃くらいまで上がり5月中旬ごろの気温の予想です。

　晴れる時期を上手に活用して梅雨シーズンを前にクローゼットの整理などを始めるのも良さそうです。

週末は荒れた天気に警戒が必要

　沖縄地方は4月6日（土）にかけて、前線の影響で曇りや雨の天気となり、所により雷を伴う見込みです。沖縄本島地方では、6日（土）にかけて低い土地の浸水や河川の増水、落雷や竜巻などの激しい突風に十分注意してください。

 

　7日（日）も断続的に雨脚の強まる時間があり荒れた天気に警戒が必要です。一方、大東島地方は、6日（土）は高気圧に覆われて晴れる見込みです。7日（日）からは雲が広がりやすく、週明けは天気は下り坂でしょう。

　この週末の最高気温は、沖縄本島地方は26℃前後、宮古島地方は28℃くらい、八重山地方や大東島地方は29℃まで上がる予想です。湿った空気の影響で非常に蒸し暑くなりますので、部屋の中に湿気がこもらないように時々換気をしていきましょう。

崎濱綾子
気象予報士/防災士（株式会社ウェザーマップ）
　沖縄県宜野湾市生まれ。ミスはごろもとして地元の観光大使を務める。RBC琉球放送でラジオ・テレビのリポーター、QAB琉球朝日放送で気象キャスターを担当。2005年に沖縄初の女性気象予報士となる。2005～2016年3月までRBC琉球放送の夕方のニュース番組で月～金曜日の気象キャスターを担当。2016年4月から東京の本社で勤務。Yahoo!ニュース動画出演・記事執筆を担当。Yahoo!ニュースエキスパート。好きな天気現象は、夏至南風（カーチーベー）。