1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

漫才師にベストな環境を…2回目迎える『THE SECOND』の矜持【チーフP&総合演出インタビュー】

ORICON NEWS / 2024年5月13日 6時0分

『THE SECOND~漫才トーナメント~』ファイナリスト8組 (C)ORICON NewS inc.

 “結成16年以上”の漫才師たちによる、フジテレビの賞レース『THE SECOND~漫才トーナメント~2024』が18日に放送される(後7:00~11:10)。ギャロップの優勝で幕を閉じた初回から1年。今年のファイナリストに選ばれた8組は、タモンズ、ハンジロウ、ななまがり、金属バット、ザ・パンチ、タイムマシーン3号、ガクテンソク、ラフ次元となった。大いに盛り上がった前回大会を経て迎える今大会。チーフプロデューサーの石川綾一氏、総合演出の日置祐貴氏に話を聞いた。

【動画】『THE SECOND』に挑んだ東京ダイナマイト

 MCの東野幸治、ハイパーゼネラルマネージャーのくりぃむしちゅー・有田哲平、そしてスペシャルサポーターの博多華丸・大吉が見守る中、王座をかけて激突。組み合わせ抽選の結果、第1試合はハンジロウVS金属バット、第2試合はラフ次元VSガクテンソク、第3試合はななまがりVSタモンズ、第4試合はタイムマシーン3号VSザ・パンチとなった。



――8組の組み合わせが決まりました。

日置
去年は手探りの状態で、ファイナルもどういう形になるかも決まってないですし、視聴者の方の反応もまったく見えない中でやっていたものに比べると、今年はある程度ゴールが、ぼんやりと見えている部分もあったので、去年よりかは落ち着いてやれているかな…。僕が落ち着いてもしょうがないですけど、落ち着いてやれているなという印象があります。選考会が始まってからはあっという間に過ぎたなというような印象です。

――2年連続でファイナリストとして残っているのは金属バットさんだけということで、また新鮮な顔ぶれでの戦いにはなります。

日置
ノックアウトステージの組み合わせ抽選会で、去年のファイナリストの方たちを2の倍数の枠に入れたんですが、それは去年のファイナリスト同士がぶつからないように、という狙いです。毎回、同じ人たちが上がってくるより、そのまま上がるコンビもいれば、途中で敗れてしまうコンビも出る方が、この大会が盛り上がるんだろうなというふうに思っていたので。とはいえ、1組しか残らないというのは、思っていた以上にやっぱり各漫才師さんのレベルが拮抗してるんだなというのを改めて感じました。

石川
マシンガンズさんはすごく悔しがってくれていましたけど。みなさん一生出ることができる大会なので、毎年出てくださるといいなぁと思います。『THE SECOND』一座ではないですが、みなさんが引き続き出ていただけるような、持続可能な大会になればうれしいです。

――マシンガンズの滝沢さんは敗退後にもXを更新して盛り上げているなど、惜しくもグランプリファイナルに出られなかった方々も、盛り上げていく仕組みみたいなものができているように感じますが?

日置
タイマンの対決なので、お互いのリスペクトや友情などが芽生えやすいシステムの賞レースだと思います。そういう意味では、各コンビの皆さんがお互いを応援したり、盛り上げてくれるのは、すごくありがたいなと思っています。

――有田哲平さんがハイパーゼネラルマネジャーに就任されました。当日は、どのような動きになるのでしょうか?

日置
去年は松本人志さんがいらして、その時にもいろんな取材でお答えしたのですが、ベテランの漫才師さんが「この人に面白かったって言ってもらえたら、うれしいな」という方に、現場で見てもらえるといいなという思いがまずあって。さらに言うと、審査員がお客さんなので、お客さんとは違った目線でコメントを言ってくれる方がいると、すごく番組としてもいいなと思っていました。

僕自身、世代としては『ボキャブラ天国』などを子どもの頃に見ていて。そこで、こういうお笑い芸人さんがいて、漫才とかコントがあるんだと知ったきっかけになった人たち。爆笑問題さん、海砂利水魚さん(現くりぃむしちゅー)、ネプチューンさんとか。そういう意味で、海砂利水魚さんはすごく漫才のイメージが強くて。なおかつ、有田さんは他局でもいろんな芸人さんをプロデュースしたり、面白くすることを積極的にやられている方だったので、そういう意味ではベテランの漫才師さんも有田さんに見てもらえるならうれしいなって言っていただけるんじゃないかなと思って、有田さんにお願いしました。

――これまで、賞レースに出演しているイメージのない有田さんですが、どのような流れで出演するにいたったのでしょうか。

石川
第1回大会の準備をしているときに、日置からは「できれば有田さんに関わってもらいたい」と相談されていました。ただ、当時(くりぃむしちゅーが出演する)『世界一受けたい授業』が裏番組にあったので、割と早い段階で「現実的じゃないよね」という話をしてあきらめていました。僕は、若い頃には『ペケ×ポン』、今では『全力!脱力タイムズ』で、有田さんにはとてもお世話になっていたこともあり、日置が「有田さんに出ていただきたい」と言っていたことが、頭の片隅にずっと残っていたんです。確かに有田さんは、あえて賞レースと距離を置いていましたが、出場する漫才師の皆さんにとっても、視聴者にとっても待望の人選だろうと思ったので、松本人志さんが活動休止されたこともあり、今回は思い切ってお願いしました。

有田さんは、かなり熟慮されたようですが、最終的には、「フジテレビさんも困ってらっしゃるでしょうから」ということで、快諾いただきました(笑)。何より良かったのは、出場者の漫才師さんたちがSNSなどで「有田さんにネタを見てほしいから、(グランプリ)ファイナルに残りたい」というコメントを出してくださったり、視聴者の方々の反応も「有田がいたか!」などと、ものすごくポジティブだったこと。僕らが選んだっていうのは非常におこがましい話で、有田さんには本当にもう感謝しかないですね。

――スペシャルサポーターの博多華丸・大吉さんについて

日置
決して松本さんの代わりということではないのですが、有田さんおひとりが加わるという形になると、いろんな見え方をされてしまう。そこで、現役で寄席に出られている方でなおかつ漫才師からもリスペクトされ、漫才師に対してリスペクトのある方、そして、『THE MANZAI』というフジテレビの賞レースで優勝されて、今もなお漫才を一生懸命やられている方というところで、華大さんしかいないなと。

大吉さんは『M-1(グランプリ)』の審査員も務めてらっしゃるので、『M-1』のイメージは強いかなと思いつつ、華丸さんは賞レースの番組には今まで絶対出てこられていない、というところも決め手になりました。賞レースで華丸さんがどんなコメントをするのか、ちょっと聞いてみたいというところも含めて、華大さんであれば、有田さんとはまた違う目線で漫才のことをしゃべっていただけるのではないかと。

石川
日置も言っていた通り、華丸さんも有田さんと同じように、これまで賞レースには出演されてこなかったのですが、華丸さんは「『THE MANZAI』が自分たちにとっての『THE SECOND』だった」とおっしゃってくださって。ご自身が出ることで、ベテラン漫才師の方たちの励みになり、恩返しになれば、という思いで、おそらくオファーを受けてくださったのかなと感じました。一方の大吉さんは“『THE MANZAI』王者”という称号や、フジテレビと華丸・大吉の縁が生かされるのであればということで、受けてくださったのだと思います。

――東野さんと有田さん、華大のおふたりとの掛け合いというのもレアですね。

日置
そうですね。特に有田さんと東野さんって、あんまり組み合わせとして見たことない…。

石川
ネットの反応も、すごく新鮮だっていう声が多いです。

――第2回をやるというのは、どれくらい前から決まっていた?

日置
僕らの知らないところで、港(浩一)さんが社長会見で「来年もやります」とおっしゃっていて、来年もやるんだと(笑)。

石川
港さんは「決定じゃないけど宣言です」と(笑)。

日置
なので、やるんだろうなと思ってましたが、正直言うと、どういう形になるかは、なかなか着地できなかったんですよ、放送日も、放送時間も。ですから去年と同じ4時間10分という尺に落ち着いたというのが、僕としてはすごくうれしかったです。結局、この放送尺に落ち着いたのが3月くらいでしたかね。

石川
アサヒビールさんに冠スポンサーについていただけることになり、それによって、われわれが希望していた4時間10分という放送尺に確定しました。そこでスタッフの士気は一気に上がりました。本当に大感謝ですが。

日置
選考会をやっている頃は、放送時間が何時間になるかも決まっていませんでしたからね。

――去年と比べて変えたところ?

日置
すごく細かいことになりますが、去年やったものの完璧版を作りましょうということを、全スタッフに最初に言いました。細かいところを直して100点になるのが、今回だと。去年は、思っていた以上に結果としていい感じでしたが、とはいえ、各セクション、あそこのカメラはもっとああしたかったとか、CGのスタッフが「あそこはもっとこだわりたかった」とか、そういうものをみんなとディスカッションして、ブラッシュアップしていきました去年のひな形はできているので、そこを、いかに100点にしていくか…という作業に力を注ぎました。

――去年のノックアウトステージの審査は、1組の漫才を見終わるごとに採点する方式でしたが、今年は先攻・後攻2組の漫才が終わってから採点する、という形に変わりました。

日置
去年、かなりの確率で先攻が負けることが多かったんですね。それはずっと僕らの中でも気になっていて。結局、後攻有利の大会・システムじゃないかとなってしまったら、勝者の人にも申し訳ないなと。そこで、2組が終わってから採点する方式に変えたわけですけど、先攻の勝率が上がったというプラスの部分もありつつ、接戦は減ったかなというのはありますね。ただ、平均点は間違いなく上がりましたし、様子見で(3点満点中の)2点を押す人が減ったという印象があります。

もちろん僕らとしては、接戦が毎回ある方がうれしいんですけど、先攻が勝ちやすくなったという意味では、出てる漫才師さんにとってはプラスなんじゃないかなという風に僕は捉えています。

石川
また、改善という意味では、1組2000円のエントリーフィーを、今回から廃止しました。去年の打ち上げの時に、ファイナリストの皆さんから「自分たちが2000円払うっていうのはどうなんだ」と詰め寄られまして(笑)。最後のあいさつで「じゃあ、エントリーフィーをなくしましょう!」と僕が皆さんに宣言してしまったんです。確定ではなかったのですが、たしかにベテランの方に2000円を払ってもらうのも失礼な話だなと気になっていましたので。そのかいあってか、今回、ザ・ぼんちさんのような方にも出ていただけたので、エントリーフィーをなくしたことで、裾野が広がったのかなと。

――有田さんの肩書である「ハイパーゼネラルマネジャー」という名称はどうやって決まりましたか。

石川
有田さんと打ち合わせをして、あうんの呼吸で決まったんじゃないでしょうか(笑)。3回くらいディスカッションしたのですが、有田さんが「ハイパーゼネラルマネージャー」という肩書を、本心ではどう思ってらっしゃるのか…、それは生放送でのお楽しみで。私も実際に有田さんがどう受け取られているのか、全くわかりませんので(笑)。

――東京ダイナマイトのハチミツ二郎さんのnoteでは、選考会に出場するにあたって、舞台を整えてくれて感謝しているという旨の記載がありました。その後、最終的に、この大会に出ることで漫才師としてひとつの区切りをつけられましたが、そのあたりはどのように考えていらっしゃいますか?

日置
そういう事態を想定していなかったのですが、あの(「開幕戦ノックアウトステージ32→16)で披露した)漫才が、東京ダイナマイトさんにとってひと区切りだったということ、その舞台として『THE SECOND』をお2人が選んでくださったことに関しては、自分の中でもすごく感慨深いというか、より身が引き締まる思いがしました。昔、島田紳助さんが「M-1は芸人をあきらめさせる大会でもあるんだ」ということをおっしゃってましたけど、この大会はできれば「あきらめる」ではなく、より長く漫才を続けてもらうための大会にしたいと思っています。そういう意味では、いろんな人の人生やストーリーが描かれる大会ともいえるわけで、一旦ここで区切りをつけるという東京ダイナマイトさんの決断も、またひとつの物語なのかなと、改めて思いました。

やっぱり出ていただけるからには、ベストな状態でやっていただきたいなというのは、石川さんとも話していました。そういう中で、車椅子で来る方がいるならば、われわれはスロープも作りますし、トークの時に立つのが大変なのであれば、椅子を用意して…と、作り手が演者に合わせていくっていうのが、『THE SECOND』のスタイルだと思っています。

――ほかの賞レースで名物になっている敗者復活をやらない理由について。

日置
システム上できないんですよね。グランプリファイナルで1組分空けるとなると、8ブロックのうち、1ブロック減らすということになりますよね。1ブロック減らすということは、開幕戦の出場者が32組から28組へと大幅に減ってしまう。それに、『M-1』と違って一応毎年エントリーできて、卒業というものがないので、「今年はくじ運が悪かったけど、来年また勝負しよう」という風に臨んでいただきたい、そういった理由から敗者復活は設けていない、という考え方です。

――音楽もかなり注目された部分であると思いますが、今年もその辺りはこだわって?

日置
基本は前回と変えないつもりです。去年と同じ出囃子、同じテーマ曲でいこうというのが決まっていますので、これが定番化していくのがベストだと思っています。

――THE YELLOW MONKEY「バラ色の日々」を選曲された理由?

日置
歌詞が、“セカンドチャンスに懸ける漫才師の大会”という部分にすごくマッチしているなというのが一番でした。聴く人によって、そのストーリーがちょっとずつ違うように聞こえるというところと、あとはすごくメロウな部分とアップテンポな部分が2つ入っているので、どこでかけても気持ちいい、というのが選んだ理由です。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください