復活したアメリカ海軍第2艦隊 完全作戦能力獲得
おたくま経済新聞 / 2020年1月6日 15時18分
大西洋を航行する空母ハリー・S・トルーマン(Image:U.S.Navy)
アメリカ海軍は2019年12月31日(現地時間)付で、2018年に復活した第2艦隊の完全作戦能力(FOC)獲得を承認しました。2019年5月に初度作戦能力獲得後、中東やバルト海などで訓練を続けていましたが、2020年から本格的に作戦行動を実施できるようになりました。
海軍全体における人員の減少や予算配分の関係などを理由に、2011年9月30日付で一旦廃止された第2艦隊。NATOとロシアとの緊張の高まりに呼応する形で復活が検討され、2018年8月24日付でアンドリュー・ルイス中将(コールサイン:ウッディ)が司令官として着任。母港となるバージニア州ノーフォークで再び現役の艦隊として再編制されました。
第2艦隊の担当区域は、アメリカ東海岸および北大西洋。中核となるのは、ハリー・S・トルーマン(CVN-73)空母打撃群(CSG-8)です。
2019年5月末に初度作戦能力(IOC)を獲得した第2艦隊は、翌6月にはバルト海での国際共同訓練「BALTOPS」に参加。同盟諸国と協調しての戦技向上を行っています。
司令官のルイス中将は、第2艦隊担当区域である北大西洋の状況について「ますます複雑化するグローバルな安全保障環境の中で、我々の同盟国と、それと対峙する勢力は、世界で最も活発な航路が北大西洋にあることをよく認識しています。北極圏航路の利用拡大によって、この区域での海上交通は増大する一途をたどっており、我々第2艦隊はその安全と安定を維持し、必要に応じて戦うという任務を帯びています」と語っています。
海上交通が活発な北大西洋を担当するため、2019年9月にはアイスランドのケプラヴィークに海洋作戦センター(MOC)を開設。第2艦隊の前線基地として、情報収集やノーフォークの司令部に代わって作戦区域での指揮統制を行う能力を有しています。
完全作戦能力を獲得した第2艦隊の今後について、ルイス中将は「大西洋全体での抑止と防衛の取り組み強化のため、NATOの同盟諸国と協力します。我々と敵対する勢力から大西洋を切れ目なく防衛するためにも、NATO諸国との同盟関係強化を将来にわたって図っていきます」とコメントしています。
<出典・引用>
アメリカ海軍 ニュースリリース
Image:U.S.Navy
(咲村珠樹)
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