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堀ちえみ、闘病告白で考えた真の女子力とは何か。

OTONA SALONE / 2019年3月1日 21時0分

人間にとって、最大のプライバシーは病気だと思いますが、有名人というのは下手な憶測を呼ばないために、時にそういう一番知られたくないことまで公表しなくてはならない。本当に因果な商売だと思います。

 

世の中の人は基本的に善意の人でありますから、病を告白した人に対し、SNSでは一般人が「がんばって」とか「負けないで!」と励ましの言葉をかけるでしょう。有名人であれば自らの発言が活字になることは目に見えていますから、「絶対治る」というようなインパクトのあることを言う人もいる。こういう時、私は善意って本当にタチが悪いなぁと思うのです。

 

闘病を美談にする風潮にうんざり

有名人は人から見られたり、応援されることで、持っている以上のチカラを発揮できる特殊能力の持ち主です。でも、そうは言っても限界はあります。これが恋愛や仕事の失敗であれば、「ドンマイ、チャンスはまだあるよ!」と言えるでしょう。けれど、病気はそういう次元の問題ではないと思うのです。みんな頑張っているけれど、努力が報われるとは限らない。それなのに、なぜそう軽々しくそんなことが言えるのか……と腹を立ててしまうのは、私が近しい人の闘病を現在進行形で続けているからだと思うのです。

 

メディアはどんなネタを扱っても「いい話」というオチをつけなければなりません。口腔がんを発表した堀ちえみの場合、病気になったことで、これまで疎遠だった子どもと再会して絆が深まったとテンプレのような美談を出してきたこともあって、極力見ないようにしていました。しかし、堀のお嬢さんが「お母さん、これまでせっかく病気を治してきたのに、今度はがんなんてかわいそうすぎる」と涙を流したことで「娘のために、かわいそうなままで終われない」と闘病を決意した話を「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)で見て、あるお医者さんの言葉を思い出したのでした。

 

これは雑談のうちの一部分であり、医学界もしくは医師たちの共通見解ではないとお断りしておきます。いつもの芸能与太話と一緒だと思って読んでいただきたいと思います。

 

最近、脳科学でいうところの男女の差異は存在しないという説が持ち上がっていますが、友人の経験から言うならば、男女の差はあるそうです。命にかかわるような病気を告知した時、男性はがっくりしてしまって無言になるそうです。女性は茫然としたり、涙を見せたり、「毎年検査をしていたのに」と食い下がってきたりと、反応はさまざま。

 

闘病の中心は女性である

しかし、女性のほうは、多少時間がかかろうと、どんな治療方針であっても「治したいので、よろしくお願いします」と前向きになってくれる。問題は男性のほうで、通院をやめてしまう人もいるそうです。それでは、どうすればいいかと言うと、「女性と共に、医師の説明を聞いてもらう」ことなのだそうです。

 

そもそも、病気の話を聞く際、医師と一般人では知識差がすごいので、話を聞いても意味がわからないことがあると思いますが、それでも医師から説明を受けるときは、女性を連れて複数で行く。すべてはわからないにしても、自分以外に話を聞いてくれるということである程度落ち着くし、素人は素人なりに真剣に話を聞いてくれるので、医師側も誤解されるリスクが低くて楽だそうです。

 

縁起の悪い話で恐縮ですが、アラフォー世代のお父さんが病気の宣告を受けるとします。その時に説明にはできるだけ娘に立ち会ってほしいそうです。お母さんは気が動転しているからダメ、息子はびびってしまって固まってしまうことがあるので、お嫁さんでもよいとのことです。もし自分が検査にひっかかり、結果を聞きに行くとき、家族が冷静でいられないタイプだと判断したら、女友達でもいいそうです。

 

娘やお嫁さん、女友達など女性が話を聞いて知識を共有することで、患者に「一緒に頑張ろう」と勇気づけることができる。だから、患者も頑張れるといういい循環が生まれるそうです。優劣の問題ではなく、励ますにしても、励まされる立場にしても、女性って強いんだなと思いました。

 

真の女子力は、料理が上手とかではなく……

真の女子力とは?

女性の強さ、すごさを闘病を通じて、私も感じたことがあります。

私はひねくれているので、個人的なことをほとんど他人に話さないタイプですが、家族の中の誰かが病気だと、自分もまともな日常生活が送れなくなります。スーパーに買い物に行って、献立を考えて、食事を作るというのは平和の産物です。頭が回らなくなったり、だるくて動けなくなったりして、病人におかしなものを食べさせることにもなりかねない。こんな時、たまたま会社員時代の先輩に話したところ、「〇時までに献立を決めてくれたら、買い物をして食材を届ける」とまるで仕事のように命じられたのです。先輩からタスクを出されたことで、頭が回りはじめ、結局は先輩に直接的なヘルプをしてもらうことはありませんでしたが、気にかけて話を聞いてくれ、うまく私のリズムを作ってくれたという意味で、助けてもらいました。親戚でも率先して助けてくれたのは、血のつながりのない叔母でした。血のつながりや、日ごろの関係性ともまた違う不思議な経験でした。

 

もし自分や周りが闘病することになったら、会社員の方であれば、社内やプライベートの友人など数か所で、事実だけをピンポイントで話してみたらいいと思います。もしかすると、あれ?という反応が返ってくるかもしれませんが(実際にそういう経験もしました)、その時はその時。必ず助けてくれる人はいます。

 

もちろん、私のケースはたまたまであった可能性もありますが、こういう経験をしなければ、女性の持つ機動力や連帯力に案外無自覚だったかもしれません。今では大分聞かなくなりましたが、女子力という言葉がはやったことがありました。料理がうまいとか、そんな感じの昭和にモテた女子的スキルのような意味で使われていたと思いますが、本当のウーマン・パワーって、こういうことを言うのではないでしょうか。

 

日本中でたくさんの人が闘病していることと思いますが、有名な人もそうでない人も、いい方向に向くことを願ってやみません。

 

≪フリーライター 仁科友里さんの他の記事をチェック!≫

 

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