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知らないと恥ずかしい!「くださる」「いただく」どっちが正しいの?(後編)

OTONA SALONE / 2022年6月22日 8時1分

この二つの文

  1. (先生が)本を(ぼくに)くださった。
  2. (僕は)本を(先生から)いただいた。

は、同じ出来事を表していますが、主語が違います。1は先生が主語で、2は僕が主語です。
「くださる」は「くれる」の尊敬語で、「いただく」は「もらう」の謙譲語だということもここで分かります。
先生を尊敬しているということで、「くださった」は尊敬語、
僕が先生を敬っているということを表す為に自分がへりくだるので「いただいた」は謙譲語になるわけです。
「いただく」は自分の行為に対して使う謙譲語なのです。

例えば逆にして

  1. 先生が本をぼくにいただいた。
  2. 僕は本を先生からくださった。

とは言わないということはすぐに分かります。

さて、表題の件です。

  1. 毎度ご来店いただきまして、誠にありがとうございます。
  2. 毎度ご来店くださいまして、誠にありがとうございます。

ここには隠れた主語とそれを受ける言葉が隠れています。入れてみると次のような感じになるかと思います。

  1. (お客様)毎度(私たちの店に)ご来店いただきまして、誠にありがとうございます。
  2. (お客様)毎度(私たちの店に)ご来店くださいまして、誠にありがとうございます。

どちらにしても丁寧な感じがするので、ちょっと分かりにくいですよね。
元々の言葉に戻して文をシンプルにしてみましょう。

  1. (お客様)来てもらって、ありがとう。
  2. (お客様)来てくれて、ありがとう。

1がおかしいことが分かりますね。ですから、

  1. 毎度ご来店いただきまして、誠にありがとうございます。

は間違いだということが分かると思います。

 

言葉を換えるとOKになるワケ

では「いただきまして」が「ご来店」とセットで使えないかというとそういうわけではありません。そういう安直な覚え方をすると、言葉が変わると途端に分からなくなります。主語が「自分」かどうかです。次のような文では、主語が自分になるので使えます。

 

  • こんなに大勢のお客様にご来店いただきまして、私たち一同、深く感謝しております。

 

この文の主語は「私たち一同(は)」です。だから「いただく」なのですね。
これが「こんなに大勢のお客様が」とお客様が主語になると「いただく」は使えません。
「いただく」は自分の行為に対して使う謙譲語なのです。

 

  • こんなに大勢のお客様がご来店くださいまして、私たち一同、深く感謝しております。

 

繰り返します。「いただく」は自分の行為に対して使う謙譲語なのです。

 

≪国語教師・文章コンサルタント・文章力養成コーチ 松嶋有香さんの他の記事をチェック!≫

 

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