二度目のベッドでは、私からローションを差し出した【40代、50代の性のリアル】
OTONA SALONE / 2023年5月2日 22時31分
いまやマッチングサービスは、世代を問わず不可欠な出会いのツールとなっている。40~50代でも、婚活や恋人探し、飲み友だち探しとさまざまな目的で利用している人が少なくないことは、OTONA SALONEの読者ならご存知のとおり。相手の人となりをある程度把握したうえで会えるということで、コロナ禍に入ってからサービスに登録した人もいるだろう。
どんな人と出会えるか。それは楽しみであると同時に、不安でもある。もし意外すぎる人とマッチングされてしまったら? たとえば、古い友人の家族とか……。
この話の前編は>>44歳、バツイチ。まさかの相手とベッドを共にすることに…?
でも、15年ぶりに…。涙が出てしまった理由って
「それより問題は、ブラジャーだったんです!」
……勝負下着下着ではなかった?
「それどころか、ブラトップです。私にもこういうときは勝負下着だというイメージがあったのですが、子育てに追われた15年間ブラトップしか着けたことがなくて、その日もそれ。でも勢いも手伝ってホテルに行っちゃいました。生活感がにじみ出た自分をさらけ出しても、この人なら大丈夫って思えたんです。幼なじみの話をたくさんしたのもあって、懐かしさのようなものを彼に感じていたのかな」
15年ぶりの、セックスである。かつてセカンドバージンという言葉もよく聞かれた。はじめてではない、だが緊張の度合いとしては同じくらい、もしかするとそれ以上かもしれない。
「気持ち以上に身体が緊張しちゃって、ぜんっぜん濡れなかったんです。15年ぶりということも話していたし、彼はとてもやさしくしてくれたのですが、せーの! で挿入したらアイタタタ……ッ!! となりました。目に涙がにじんで、彼は『痛かった?』と心配してくれたんですけど、違うんです。痛みではなく、人に抱かれる安心感や肌のあたたかさを感じたら泣けてきて。20代で経験したセックスは、子どもを作るためだったり元夫の性欲を満たすためだったりで、自分が愉しむということをまったく考えてなかったなぁ、私はさびしかったんだなぁって考えていました」
この人の気持ちが伝わってきた。肌をとおしてわかること
ノブオさんもちょうど、離婚から1年が経ったころだったという。ヨシミさんが感じていたのと同じぬくもりを、彼も感じ取っていたのではないか。
「私は看護師という仕事柄、肌のふれあいや表情で、その人の本音のようなものがわかるんです。たとえば何かの処置中に『痛くないです』と患者さんが言っても、言葉のとおり受け取るんじゃなくて、動作や表情で本当は痛いんだろうなと読み取る。この夜、肌をとおして彼のことをやさしい人だな、と思ったんです。だから濡れなくて痛かったんだけど、満たされました」
ヨシミさんは最初、ひと晩かぎりの関係でもいいと思っていた。けれど、もう一度セックスを試してみたいという気持ちがわいてきた。自分はちゃんと気持ちよくなれるのか。ノブオさんを誘い、待ち合わせ場所に向かう。バッグには、セックスローション(潤滑剤)が入っていた。
「産婦人科に勤務する友人から教えてもらったんです。彼の前でローションをバーンッと出して、『あなたとのエッチはよかったから、もう一度これを使って試したい!』と伝えました。私は看護師なんだし、もう開き直っちゃおう、と。これで最後かもしれないと思っていたから、こうしたい、もっとこうしてほしいということもはっきり伝えて……そしたら、痛みはゼロではないんだけど、とてもスムーズにできました」
▶息子も気がついた、私の変化
息子も気がついた、私のほんの少しの変化
そこから1年以上、週に一度は必ず会い、セックスを重ねている。けんかすることもある。彼は離婚してまだ日が浅く気持ちに揺れがあり、ヨシミさんも15年ぶりの恋愛で心に歯止めがかからないことがあった。いまは、けんかできる相手だからこそ、セックスも楽しめると思っている。
大学生になった息子には恋人ができたことを話していないが、「お母さん、最近あんまり怒らなくなったね」と言われた。母親からも「最近、肌の調子がいいんじゃない?」と声をかけられた。
「男性も女性も年を重ねると欲求がなくなって、セックスしなくなるし、できなくなると耳にしていたんですが、それってただの思いこみだったんですよね。彼との出会いでそこから、パンッ!と解き放たれた気分です。その影響で、英語の勉強をはじめました。20代のころは英語が得意だったんですけど、すっかり離れていたので、もう一度話せるようになりたいと思って。スポーツジムにも通っています」
私たち二人、けんかもするけれど
再婚は考えていない。
「自分で稼げる仕事もあって、この先ひとりでも生きていける。会いたいとき、したいときに、彼と過ごす。そんな関係のほうが相手に期待もしすぎなくて、私には合っているみたいです。けんかは相変わらずよくするけど『これ以上言い合ったら、いいエッチができなくなるよ!』ってやめるんです。仲直りエッチは、また格別ですからね」
ノブオさんのことは”親友”でもあると思っている、とヨシミさん。男女としてつき合うだけだったら、いつか別れるかもしれない。親友だったら別れなくていい。「ひとりじゃない」という実感がある。
いろんな人と会えるけど、誰と会えるかわからないマッチングサービス。”幼なじみの元夫”という、思いもかけない出会いもある。そこからどのような関係を築いていくかは、自分次第ということなのだろう。
≪フリー編集&ライター 三浦ゆえさんの他の記事をチェック!≫
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