毒ガス級にくさい「更年期のおなら」50代女性の深刻な悩みの原因とは

「最近、おならがよく出る」「急におならがくさくなった」などの悩みがありませんか？

日本の女性は平均で50歳頃に閉経を迎え、閉経前後の5年間は更年期と定義されます。この時期は、さまざまなからだや心の不調に悩む女性が多いようです。

更年期女性のお悩みに「おならが多い・くさい」があります。

今回は、更年期のおならの悩みの改善法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。

 

「早く窓を開けろ！」私のおならで家族の危機

イラスト／lely

由紀子さん（52歳）は、おならのニオイがひどいと悩んでいます。

「音がしなくても、おならのニオイで周囲にばれてしまうほどです」

 ある日、家のリビングでくつろいでいるときに、うっかりおならをしてしまったそうです。

「このニオイ、強烈すぎる！ 早く窓を開けろ！」

夫がむせ返りながら叫び、大騒ぎになってしまいました。

「まるで毒ガスを吸い込んだかのようで……家族とはいえ恥ずかしくて」

由紀子さんはショックを受けて、すっかり落ち込んでしまいました。

 

 

絶対におならをしてはいけないプレッシャー

イラスト／lely

由紀子さんのおならのニオイは相変わらずキツイまま。

「おならのニオイがひどくなってから、車やバス、電車の中など閉鎖的な空間にいるときに限っておならが出そうになるんです」

自分のおならはくさいと自覚している由紀子さん。

「『爆弾を放つようなものだから、絶対におならをしてはいけない』というプレッシャーを感じるようになって……緊張して冷や汗が止まりません」

さらに、おなかにガスがたまって腹痛を起こすことも多くなってしまいました。

 

おならのニオイが強くなるのは更年期のせい⁉

写真／PhotoAC

更年期になると、女性ホルモンが急激に減少して自律神経のバランスが乱れるため、胃腸のはたらきが低下し、ガスだまりや便秘を生じやすくなります。
そのため、おならが増えたり、くさくなったりすると考えられているのです。

また、加齢による腹筋の低下もおならが出やすくなる原因とされています。

「たかが、おなら」と思いがちですが、そのままにしておくと、仕事や日常生活に大きな支障が出るかもしれません。
我慢しないで病院を受診するようにしましょう。

更年期の不調には日本産婦人科学会が推奨している漢方薬の活用も選択肢のひとつです。

おならに悩む更年期女性には、大建中湯（だいけんちゅうとう）という漢方薬がおすすめです。
大建中湯は、おなかを温めて胃腸の動きを正常化し、便秘や腹部膨満感を改善する漢方薬です。
胃腸の機能の改善により、おならの量やニオイの軽減も期待できます。

大建中湯は以下のような症状のある方に適しています。

・おなかが冷えている

・おなかにガスがたまりやすい

・急に腹痛が起こる

・疲れやすい

 

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＜この記事を書いた人＞

あんしん漢方薬剤師　清水みゆき

漢方薬・生薬認定薬剤師、JAMHA認定ハーバルセラピスト。製薬企業の研究所員を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。

現在も漢方調剤薬局で薬剤師として在勤しながら「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。

 

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