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【経済的DV】夫婦の共有口座をつくって後悔。「妻の給与は没収」するくせに、夫は給与明細さえ見せないがめつさ

OTONA SALONE / 2024年3月30日 16時30分

夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。自分を大切にしてくれ、本当に優しい人だから結婚をしても幸せになれると信じていたのに、結婚した途端に優しい姿が全て嘘だったとわかり苦しんでいる女性がたくさんいます。

モラハラだとわかっていても、経済的理由や子どもの養育の問題、夫が治ってくれるかもしれないという期待から離婚を決断できない方がいます。「お前なんか離婚だ」というくせに実際に離婚を切り出すと拒否をされ調停や裁判にまで発展をする。モラハラの闇はとても深いものです。そんなモラハラについて長年に渡りカウンセリングを続けてきた私なりの対策をお伝えしています。

今回は夫からの生活費が7万円のみ、その金額で子ども2人の給食費や学校の教材費、お小遣い、家族4人分の食費、自身の携帯代まで支払っているRさんのお話です。

夫からの結婚当初から生活費は同じ、子どもが増えても7万円のみ

Rさんの夫は結婚当初から「家計管理は全て自分がする」と言っていたそうです。Rさんはお金の計画などが苦手だったので、家計管理をしてもらった方が楽だと思い、夫に従いました。しかし、それに従ってしまったのがそもそもの間違いだったのです。
結婚当初はRさんも正社員として仕事をしていたので、Rさんの給与明細も夫に開示。夫からは共同の口座に入金しそれで生活していこうと言われました。でも、共同名義預金口座は銀行の決まりで作れないと言われ、その代わりに夫婦共有口座として新規で作ったという、夫名義の口座にRさんのお小遣い5万円を引いた全ての金額を入金するように指示されました。

『でも夫の給与明細は見せてもらえず、その2人の生活費を入れるという名目の共同口座のお金の入出金も見せてもらえないのです。それはおかしいと何度も言ったのですが、その度に「俺が信用できないのか!」と怒鳴られ従うしかないと思ってしまっていました』

 

日本の法律では夫婦であっても、共同名義で口座を開設することはできません。ですから夫の言っていることは間違いではありません。ただ銀行口座は「代理人カード」を利用することで、口座名義の本人でなくてもその口座からお金を引き出したり入出金を確認することができます。「代理人カード」が発行できるかは銀行に問い合わせてみて下さい。
「代理人カード」も渡されず、口座の入出金全て夫が管理しているのは普通では考えられないことです。夫婦がお互いの給与を共同口座に入れる場合は、給与の半分が妥当と言われています。Rさんの場合は給与の半分以上を共同口座に入れるように言われていました。

 

夫からは生活費として7万円を現金で渡されていたRさん。結婚当初は、2人だけの生活だったので食費とティッシュやトイレットペーパー、洗剤などの生活雑費を支払ってもそのお金で生活できていました。Rさんのお小遣いも月額5万円もあったので美容院も行けたし、自分の欲しいものも買うことができていたそうです。そのため、Rさんは夫の生活費管理に文句は言わずに従っていました。

『でも、夫の給与明細も共同名義と言われてつくった口座の残高も入出金も見せてもらえないまま。そこを最初の時点でもっと強く夫に言うべきでした。今思うとおかしなことばかりなのに、夫の機嫌が悪くなるのが怖くて何も言えない状態が続いていました』

 

独身時代は全ての収入が自分の自由に使えましたが、結婚をするとそうもいきません。結婚後に大切なことは夫婦で一緒に「人生とお金」に向き合い、夢や目標を共有していくことです。しかしRさんの家庭の場合、夫が夫婦のお金の全てを管理しその収支報告も不透明なことが大問題です。R子さんがお金の管理や運用が苦手だから、夫がやってくれた方が楽だからと思い夫に任せると言ってしまったことがモラハラのスタートでした。結婚前は本当に優しくて信用ができる人だったので、まさか自分の夫がモラハラ夫、それも経済的DVまで行う人だなんて夢にも思っていなかったそうです。

 

 

夫に夫婦の家計管理を任せた瞬間、モラハラの仮面が外れた

夫がモラハラだとわかっていたら結婚もしなかったし、共有口座にお金を入れることもしなかった、とRさんは振り返ります。
Rさんが小遣い5万円を引いた残りの金額を全て共有口座に入れると了承した途端、夫は優しいふりをする仮面を外したのです。

『優しさと思いやりを装った彼は別人のように変わり、その裏に広がるのは冷酷で傲慢なモラハラ夫そのものでした。
夫にとって共有口座が、私を支配し、コントロールするための手段だったのです

 

自分の給与を誤魔化して共有口座に入れなければいいと思いもしたRさんですが、夫は給与明細を見せろと毎月給料日に凄むのだそうです。それを拒否すると「俺はお前の夫だ!俺がこの家庭のお金の管理をしているんだ。その夫に給与明細を見せられないのか!外で悪さでもしているのか!」と怒鳴り続けるので、その苦痛から逃れたくて、Rさんは給与明細を見せることになります。
そして夫は、明細額からRさんの小遣い5万円を引いた金額を一円単位まで指定し、夫の目の前でRさんにネットバンキングで共有口座へ移動させるように指示する……というやりとりが毎月の儀式となりました。

 

Rさんが徹底的に夫に反論し、夫婦のお金について話し合うことができればまだこの状態にはならなかったはずです。モラハラ夫は自分より気の強い女性は苦手なのです。でもRさんは争いが苦手、自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先する、大きな声で怒鳴られると言い返すことができない女性だったので夫の言うことを受け入れてしまったのです。
モラハラ夫は脅す、蔑む、無視する、威嚇することで妻を自分のいいように操っていきます。Rさんは結婚生活当初は確かに生活費として夫に渡させる7万円で生活はできていたそうです。ですから夫に対してお金のことを言う機会がなかった上に、夫に逆らい文句を言われるのが怖くて何も言えずに夫の提案通りにしてしまったとおっしゃっています。

 

 

【前編】では、結婚するまでDVの影のなかった夫が、家計管理を掌握したとたんに豹変したという経緯を聞かせていただきました。

▶つづきの【後編】では、妊娠出産育児を経て、さらに悪化する経済的DVの悲劇をお伝えします。__▶▶▶▶▶

 

 

 

≪モラハラカウンセラー 麻野祐香さんの他の記事をチェック!≫

 

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