「怒りをぶつけるのではなく、冷静に注意する」上手に部下を指導するために知っておきたい「心得」って?
OTONA SALONE / 2024年2月29日 12時11分
40〜50代ともなると、職場の部下や年下社員にマナーや言動について目につくことが増えてくるでしょう。良かれと思って何気なく、感情的に注意してしまうと「でた、お局様」「ちょーうざい」などと煙たがられてしまいがちです。
いくら正しいことを伝えても、相手が聞く耳を持たなければ、ただの「年寄りの嫌な説教」としてスルーされてしまいます。
そこで今回は、角が立たずにうまく効果的にマナーを伝えるコツを、ビジネスマナーに詳しいマナーコンサルタントの西出ひろ子さんに教わります。
前編『若手のお作法を注意したいが「ハラスメント」と言われるのが心配。そんなときに知っておきたい「ちょうどいい叱り方」とは』に続く後編です。
「怒る」のではなく「注意する」、難しいシーンで心得ておきたい4つの大切なこととは
続いては、部下や若手社員に何かを注意するときの伝え方のポイントを教えていただきました。
1. なぜ注意をするのか、根本となる目的を見失わない
「注意をするということは、改善してもらい、仕事の効率をアップしたり、互いに気持ちよく仕事のできる関係性や職場作りのためであったりと、注意をされる人の今後のことを思ってのことであることを忘れないようにしましょう。忘れなければ、その目的を達成するための前向きな意図が相手にも伝わるはずです」
2. 注意をされる人の立場に立つ
「繰り返しになりますが、マナーとは『相手の立場に立つこと』です。このことを忘れないでください。マナー、すなわち礼儀のある人は、相手の立場に立ってお互いがプラスになるコミュニケーションを取ります」
3. クッション言葉をつける
「注意をする内容を伝える前に、クッションとなる言葉を入れることで、注意したことを相手が改善してくれやすくなります。前述のようなお詫びや共感、感謝などを気持ちを込めて伝えましょう」
4.表情も意識する
「伝えるときの表情も大切です。伝える内容にもよりますが、相手の気持ちがよくわかっている上で、あえて注意をしなければならないようなときには、申し訳なさそうな表情で伝えます。毅然と伝えるときでも、クッション言葉を使用して相手に心の扉を開いてもらえるように促すため、優しい表情が理想です。私もお局世代の一人として、うざいと思われるお局様より、慕われるお局様を目指したいと思います」
次ページ>>>気くばりができる女性が知っている「3つのコ」とは?
部下や同僚に尊敬され、信頼される人材であり続けるため、覚えておきたい「たった2つの大切なこと」
上司の立場になれば、人に注意する機会が多いことから、自らもしっかりとマナーを身につけておきたいものです。そこで西出さんの著書『誰からも愛され、信頼される人になる! 気くばりにいいこと超大全』より、職場でマナーをわきまえた気くばり美人になるコツをご紹介します。
気くばりに不可欠な3つの「こ」
気くばりができる人は職場でも好かれることは誰でも知っています。でもなかなかできなかったりするものですよね。コツを学んでおきましょう。
気くばりができる人は3つの「こ」を意識しているのだそうです。つまり相手に届ける「心」と、相手に届ける手段である「言葉」「行動」です。例えば出勤時の挨拶の「おはようございます」を無表情で声も小さく、冷たい態度で言った場合はどうでしょうか。心と行動が欠けているため、本人は挨拶したつもりでも、かえって相手に嫌な印象を与えかねません。
気くばりの基本は、相手がされて嬉しいことをすることや、不快にさせないようにすることだといいます。そのためには相手にしっかりと気持ちを伝えることも大切。注意するときはもちろん、普段からも思いやりの心を持って言葉と行動で示しましょう。
悪口・批判・自慢話をしない
つい感情的になると、誰かの悪口や批判、自分の自慢話をしたくなってしまいませんか? つい口から出てしまうこともあるはずです。しかし、気くばりのできる人は、悪口・批判・自慢話をしないのだといいます。
なぜなら相手を不快にさせてしまったり、相手はそれを聞いて楽しい気持ちにはならないため、気くばりに欠けているからです。実際、相手は「この人とは話したくない」と遠ざかっていってしまうでしょう。
悪口や批判を言ってたとえ不平不満が解消できたとしても、自慢していい気分になったとしても、結局は自分にマイナスに働いてしまうのです。
悪口・批判・自慢話が癖になっているのであれば、一度見直してみたいですね。
*
部下や若手社員へうまく注意するコツやマナーを教わりました。ケースバイケースで対応方法は変わりますが、真髄は変わらないはず。ぜひ日々の心の持ち方や発言、行動に活かしてみてくださいね。
つづき>>>>『若手のお作法を注意したいが「ハラスメント」と言われるのが心配。そんなときに知っておきたい「ちょうどいい叱り方」とは』
【取材協力】
西出 ひろ子(にしで・ひろこ)さん
マナーコンサルタント。法人3社を経営するマナーの専門家として、企業のコンサルティングやNHK大河ドラマをはじめ、映画、CMなどで一流俳優らのマナー指導も務めるマナー界のカリスマ。皇室関連のコメント依頼も多く、マネーを生み出すウェルネスマナーで健康、美容、経済を構築させている。近著に「突然『失礼クリエイター』と呼ばれて」(きなこ出版)「マナーのカリスマが大切にしていること 私スタイルの暮らし方」(主婦と生活社)など著書は国内外で100冊以上、著者累計100万部を超える作家としても活躍中。
HIROK♥MANNER Group
【参照】
西出ひろ子著「誰からも愛され、信頼される人になる! 気くばりにいいこと超大全」(宝島社)
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