売れるノウハウは「思いやり」が肝! マーケティングのプロが説く、お客様への【3つの心得】
OTONA SALONE / 2024年4月23日 11時1分
仕事で日々、顧客からの電話対応やマーケティングを行っているものの「なかなか売れない」「顧客の反応がよくない」と感じていませんか? 特に接客業や営業職のような顧客と直接接する職種の人は、「売り上げが伸び悩んでいる」「売れるノウハウを知りたい」と悩んでいるかもしれません。
今回は、それらのお悩みを解決するヒントを『思いやりマーケティング®- 「売り込まなくても自然に売れる仕組み」をつくる – 』の著者であり、マーケティングのプロである久保田優子さんに教えていただきます。
▶前編記事『あなたのビジネス、「売れない原因」はこれ? マーケティングのプロが教える、5つのNG行動』に続く後編です。
顧客に対する理想的な行動3選
顧客に対する理想的な行動を3つ教えていただきました。
1.売り込まずに売れるマーケティングの仕組みづくりをする
「お客様が求めていないときに押し売りすると嫌われて、二度と買われなくなる。でも、今まさに買いたいと思っているお客様にスムーズに売らないと、他で買われてしまう。これはNG行動1と2でお伝えさせていただいたことです。
ではどうすればいいのでしょうか? 一番の理想は『こちらから売り込まなくても、お客様が「買いたい」と思ってくれる』状態になること。そのためには『売り込まなくても売れるマーケティングの仕組み』を次の3STEPでつくることです」
STEP1「買ってくれそう」な人を集める
「『今はまだ買ってくれていないけれど、いつか買ってくれるかもしれない』『自社商品やサービスに興味を持っていそうで、将来的に購入してくれる可能性がある』。このような『見込み客』の方をできるだけコストをかけずに集めることがSTEP1です。この段階ではまだ販売はしません」
STEP2 興味のある方に「買ってもらう」
「商品に興味を持っている方には、できるだけ早く買ってもらうことが大切です。せっかく買う気になっているお客様の熱を冷まさないように即、申し込めるように販売導線を整えることが重要です」
STEP3「また買いたい」を引き出す
「マーケティングの世界では『売り上げの8割はリピーターから生まれる』ともいわれています。ビジネスの成長や安定には、『また買いたい』と思ってくれる優良なリピーターが不可欠ですし、そのリピーターを作ることができないビジネスは継続できません。
売り手は良いものを提供し続け、買い手は、売り手を信じてその商品に愛着を感じ、何度も買いたくなる。このループが続いていけば、こちらから売り込まなくてもお客様のほうから『買いたい』『ほしい』と思ってもらえる。そんな理想のビジネスの実現が見えてきます」
2.すべてのお客様を「公平に特別扱いする」
「NG行動3で、お客様に対しては『一部の人だけを特別扱いする』のも、『一部の人をないがしろにする』のもNGだとお伝えしました。常に『すべてのお客様に公平であること』がとても大事なのです。
とはいえ、100万円使う人と1,000円使う人がいたら、頭では公平が大事だと思っていても、つい100万円の人を優先したくなる気持ちはよくわかります。ですから、常にすべてのお客様を、公平に特別扱いする姿勢が大切になります。つまりお客様によって、態度を変えないということです。
人間としての小さな自分を大きな視点で俯瞰しているつもりで、すべてのお客様一人ひとりに対して、その方に合わせたオーダーメイドな特別対応をする。『特別扱いしない』のではなく『分け隔てなく特別扱いする』姿勢でお客様と接していれば、いつかきっと、一人ひとりのお客様があなたのことを『特別な人』だと思ってくれるでしょう。自然に紹介も生まれます。どんな商品を売っていても、『あなただから買う』という人に成長することが大切です」
3.思いやりのベクトルを常にお客様に向ける
「前編記事の“NG行動4”でお伝えした、商品の良いところしか伝えないというお客様の信頼を損なう売り方、そして“NG行動5”でお伝えした自分の都合に合わせた売り方。これはお客様への思いやりに欠けた行為なので継続できません。継続的に成果を上げるために大切なのは、お客様の気持ちを優先し、大事にする思いやりという意識のベクトルを、いつでもお客様に向けておくということです。
私は『思いやりマーケティングは人のためならず』だと信じています。お客様の身になって感情移入し、お客様が喜ぶものを売る。この姿勢でビジネスを続けていると、お客様に喜んでもらえることが、イコール自分自身の喜びになってきます。自分の仕事が、自分の商品やサービスが、お客様に喜びや笑顔をもたらせば大きな満足感や充実感も味わえるでしょう。思いやりを持ったお客様本位のビジネスは、自分にも必ず喜びと笑顔をフィードバックしてくれるのです」
「思いやり」がお客様に向いているかチェックして
最後に、「売上を上げたい」「顧客に好か例たい」と考える人に向け、メッセージをいただきました。
「人は、好きな人から、信頼する人から、自分を大事に思ってくれている人から、モノを買います。ビジネスをしている以上、売り上げや収益はとても大事です。ただ、それを求めるあまり、その売り上げを生み出してくれるお客様の心の動きに意識が向かない、感情に目が届かないビジネスは決して長続きしません。
人と人との関係性がすべてだからこそ、お客様の心を理解し、共感し、寄り添う『思いやり』を欠かしてはいけないのです。思いやりはお金もうけとは真逆の概念に感じられる人もいるかもしれませんが、私はすべての根本だと確信しています。お客様が抱えている悩みを解消し、良い気持ちにして差し上げ、幸せにするビジネスは永続的に発展していきます。思いやりの方向性がお客様に向いているか、常にチェックしてみてください」
売上が伸び悩んでいる、顧客への対応方法に迷っていた人などは、きっと大きなヒントが得られたはずです。ぜひ実践に活かして、顧客と自分の喜びと笑顔を実感したいですね。
【取材協力】
久保田 優子(くぼた・ゆうこ)さん
1976年、大阪府堺市生まれ。明治大学短期大学経済科卒業。警察官の祖父から受け継いだ公平性、祖母から受け継いだ堺商人の血を発揮した喜ばれる企画力を兼ね備える。会計専門学校に就職後、オーナーが抱えていた2000万円以上の借金により倒産の危機を経験するも、わずか1年で月商2000万円へと経営を立て直す。独立後、神田昌典氏のアルマック(現アルマクリエイション)のマーケティング業務に従事。神田氏直伝のコピーライティングを学び、3年間、速読事業のマーケティング担当を実施。マーケティング責任者として、ゼロから事業を立ち上げ1年で年商3億円を突破させるなど、マーケティング・プロセスをつくり上げることに手腕を発揮。顧客分析から売れる商品の企画立案、スムーズに集客するまでの導線フロー作成はもちろん、顧客一人ひとりに寄り添った対応を通じてフォローも万全に行うとともに、継続して興味を持たれ続けるイベント、セミナー、講演会の企画運営を実施している。
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