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「させていただきます」はNG!丁寧すぎて逆に無礼な敬語7選

OTONA SALONE / 2018年6月11日 11時30分

敬語に自信のない人が、丁寧に話をしようとすると、ついつい過剰な言い方になってしまいます。
言葉の初めには何でも「お」や「ご」をつけたらいい、文の最後には「れる」「られる」をつければいい、そんな感覚でいませんか。
慌ててしまい、「〇〇でござる」のように時代劇のような言葉になってしまう人もいます。
そこまで恥ずかしくなくても、うっかり言ってしまう二重敬語があります。
今日はその中から代表的なものを7つ選んでみました。言い換えパターンも提案してみますので、この機会におさらいしてみましょう。

 

1「拝見させていただきます」は「拝見する」でOK

「させていただく」に関しては、使う人がとても多いので、「させていただく症候群」と称し、このOTONA SALONEでも取り上げました。

敬語の3大間違い「させていただく」「よろしかったでしょうか」あと1つは?
https://otonasalone.jp/45917/

この「させていただく」は「誰かが許可をした」ということを強調したい場合にだけ適している言葉であり、普段は使わない方が良いと解説しました。しかも「拝見」という謙譲語がついているので、完全に言い過ぎです。

拝見……「見る」の謙譲語

そう、実は「拝見いたします」すら二重敬語なのです。

致す……「する」の謙譲語

では、どう言ったらいいのでしょう?
答えはいたってシンプルで「拝見します」
これだけでいいのです。

  • のちほど、ゆっくり資料を拝見させていただきますね。
  • メールを拝見させていただきました。迅速な対応ありがとうございます。
  • 企画書を拝見させていただきました。素晴しいと思います。

これがぐっとシンプルに変わります。

  • のちほど、ゆっくり資料を拝見しますね。
  • メールを拝見しました。迅速な対応ありがとうございます。
  • 企画書を拝見しました。素晴しいと思います。

 

2「うかがわせていただく」は「うかがう」でOK

「うかがう」は「聞く」「尋ねる」「訪問する」の尊敬語です。こちらも、それだけで敬意を示せますので、さらに「せていただく」を付けるのは言い過ぎなのです。

では、どう言ったらいいのでしょう?
こちらも答えはいたってシンプルで「うかがう」
これだけでいいのです。

  • 先生のお話をうかがわせていただきます。
  • 成功の秘訣をうかがわせていただいてもよろしいでしょうか。
  • 明日、うかがわせていただきます。

これがぐっとシンプルに変わります。

  • 先生のお話をうかがいます。
  • 成功の秘訣をうかがってもよろしいでしょうか。
  • 明日、うかがいます。

 

3「おっしゃられる」は「おっしゃる」でOK

「おっしゃる」は「言う」の尊敬語です。それだけで敬意を示せますので、さらに「られる」という尊敬の助動詞を付ける必要はありません。

では、どう言ったらいいのでしょう?
こちらも答えはいたってシンプルで「おっしゃる」
これだけでいいのです。

  • 先生がおっしゃられていたことが、よく分かりました。
  • 先ほどおっしゃられていたじゃないですか。
  • そのようにおっしゃられるのはどうしてですか。

これがぐっとシンプルに変わります。

  • 先生がおっしゃっていたことが、よく分かりました。
  • 先ほどおっしゃっていたじゃないですか。
  • そのようにおっしゃるのはどうしてですか。

 

ギクッ、これは言ってる!みんなのうっかり間違いは→

4「お帰りになられる」→「お帰りになる」でOK

「お〇〇になる」も「〇〇になられる」も敬語なので、「お〇〇になられる」という言葉は二重敬語です。

  •  先ほどお帰りになられました。
  • もうお休みになられますか?
  • いつごろお越しになられますか?

これがぐっとシンプルに変わります。

  • 先ほどお帰りになりました。
  • もうお休みになりますか?
  • いつごろお越しになりますか?

 

5「ご覧になられる」→「ご覧になる」でOK

同様に「ご〇〇になられる」も二重敬語です。

  • この映画はもうご覧になられましたか。

これは

  • この映画はもうご覧になりましたか。

でOKなのです。

 

6「させていただきます」→「いたします」でOK

冒頭部分でも、また冒頭部分のリンク先記事でも解説していますが、
この「させていただく」は「誰かが許可をした」ということを強調したい場合にだけ適している言葉であり、普段は使わない方が良いと感じます。

  • お手元の資料について、ご説明させていただきます。
  • 添付の書類について、ご紹介させていただきます。

「させていただきます」を「いたします」にしてみますね。

  • お手元の資料について、ご説明いたします。
  • 添付の書類について、ご紹介いたします。

どうでしょう?
シンプルに「いたします」とするだけで、余計なものが削ぎ落とされ、かえって丁寧さが際立ちますよね。

 

7 なんと三重敬語!「お召し上がりになられる」→「召し上がる」でOK

こちらは上記二重敬語の合わせ技ですね。
「召し上がる」が既に尊敬語ですので、これだけでいいのですが、「お」がついて、さらに「られる」までついています。
三重敬語に相当します。

  • 昼食はもうお召し上がりになられましたか?
  • 昼食はもう召し上がりましたか?

 

慇懃無礼という言葉があります。言葉や態度などが丁寧すぎて、かえって無礼である様子を表す言葉です。
丁寧に、丁寧に、と思う余り、過剰になっては行き過ぎてしまいます。
そして、言葉はシンプルな方が伝わりやすいもの。真摯な気持ちが伝われば、言葉はそれほど飾らなくてもいいのです。

 

≪国語教師・文章コンサルタント・文章力養成コーチ 松嶋有香さんの他の記事をチェック!≫

 

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