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《現地レポート》水原一平容疑者「中学時代は帰宅部」同級生が口を揃える“影の薄さ”「騒いでるのをそばで見ているタイプ」「高校の同窓会には不参加」

NEWSポストセブン / 2024年4月22日 11時13分

水原一平容疑者は「中学時代は帰宅部」(C)BACKGRID,Inc./AFLO

 ドジャース大谷翔平(29)の元通訳・水原一平容疑者(39)。次々と明らかになるその過去は、これまでの“頼れる相棒”のイメージとはかけ離れたものだった。彼は何者だったのか──交流のあったノンフィクションライターの水谷竹秀氏が、現地・ロサンゼルスに飛び、その半生に迫った。(文中敬称略)【前後編の前編】

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 黒いスーツ姿の門番が手にする受話器から、低い男性の声が漏れる。

 流暢な英語で「セキュリティー……」と話すくぐもった発音に、聞き覚えがあった。大谷から1600万ドル(約24億5000万円)を詐取したとして銀行詐欺罪で訴追された元通訳、水原一平である。水原が裁判所に出廷する数日前、私は彼が住む高級マンションを訪れていた。門番は受話器を置くと、私にこう言った。「住人はあなたに会いたくないと言っている」──。

 私が水原と出会ったのは昨年5月、米カリフォルニア州アナハイムを拠点にするエンゼルスのスタジアムだった。大谷と親しいチームメイトや監督に取材をしていたところ、広報を通して水原から「会いたい」と申し出てきたのだ。

 実際に会うと口数が少なく、こちらの話に相槌を打つばかりだった。彼の口からはタバコの匂いがした。

 インタビューを申し込むと「大谷選手の登板の翌日なら」と提案してくれたが、実現することはなかった。「電話でなら」と言われその後計5回メールを送ったが、いずれも梨の礫だった。

 次に彼を見たのは、ドジャースとパドレスの開幕戦が開かれた今年3月下旬。場所は韓国・ソウルのホテルである。試合前、ロビーを歩く大谷に続いてホテルを後にしたが、なぜか水原だけがロビーに戻ってきた。関係者と会話をする合間、スマホを片手に通話し、キョロキョロと周囲を見ていたのが印象的だった。試合後、大谷と真美子夫人は笑顔でホテルへ戻ってきたが、そこに水原の姿はなかった。

 その翌朝、違法賭博疑惑が報じられ、ドジャースを解雇されたのだ。

 北海道苫小牧市出身の水原は6歳の頃に両親とともに米国へ移住。一人っ子だったという。その後、バイリンガルとして育った彼の人生に何があったのか。私はルーツを探るため、ロサンゼルスへ飛び立った。

高校の同窓会には不参加

 ロサンゼルスの中心部から東に約40キロ。「ダイヤモンドバー」と呼ばれる都市に1990年頃、水原家は移り住んだ。アジア系住民が5割を占める地域で、なかでも中国、韓国の出身者が多く、日本人は少ない。移動手段には車が欠かせず、日本の地方都市のようだ。その住宅地に建つ平屋を借りて、一家は生活を始めた。

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