1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

5月場所休場の尊富士 ケガに苦しみ続ける相撲人生、十両転落で「そう簡単に幕内復帰できない茨の道」となるか

NEWSポストセブン / 2024年5月11日 7時15分

5月場所は休場となった尊富士(時事通信フォト)

 3月場所で110年ぶりの新入幕優勝を果たした25歳の尊富士だが、5月12日に初日を迎える5月場所は休場することとなった。尊富士は3月場所14日目に右足首を負傷。春巡業を全休して治療に専念していた。今後、復活に向けてどのような道のりが待っているのか。

 伊勢ヶ濱親方(元横綱・旭富士)は「四股も満足に踏めない。こんな状況で出ても無理だ」と説明。初優勝した力士が翌場所に休場するのは曙(1992年7月場所)以来、32年ぶりのことで、史上3人目。東前頭6枚目に躍進した尊富士だが、全休した場合には十両上位まで転落することになる。担当記者が言う。

「完治までどれくらいかかるかわからない。尊富士の実力があればすぐに幕内上位まで番付を戻せるという見方もあるが、尊富士はケガをしやすい体質であることが心配です。屈強な上半身に比べ、下半身の筋肉は繊細。カモシカのような足といわれている。それゆえに瞬発力があるが、148キロの体重を支え切れず、ケガをしやすい」

 アマチュア時代はケガの繰り返しでタイトルとは無縁だった。鳥取城北高校時代も2年生の時に左ひざの前十字靭帯断裂の大ケガをしている。手術をして復帰するも、3年生の国体少年の部の準決勝で同じところをケガしてしまった。

「日大に進学後、今度は右ひざを痛めた。2年生の全国学生選手権はベスト32止まりで、全日本相撲選手権は棄権している。3年、4年ではタイトルと無縁だった。日大の同級生で、4つの学生タイトルという実績で宮城野部屋(当時)に入門し、幕下15枚目格付出デビューした川副(現・輝鵬)のほうが注目されていた」(前出・担当記者)

今の十両は日大・日体大OBの実力者揃い

 素質がありながらケガに泣かされてきた尊富士だが、部屋関係者もケガの再発を心配しているという。ただ、所属する伊勢ヶ濱部屋には3月場所後、一時閉鎖となった宮城野部屋の力士たちが転籍してきて、それがプラスにはたらくのではないかと期待される面もあるという。若手親方が言う。

「尊富士も自覚があり、ケガをしない体づくりを目指している。そのため趣味が『筋トレ』と公言するほどですが、プロの世界では四股とテッポウで柔らかい筋肉をつけるのが鉄則。筋トレはご法度とされる世界ですが、部屋の先輩からのアドバイスがありながら、1日中部屋の地下室にあるトレーニングルームに入り浸っていた。それが宮城野部屋との合流でトレーニングルームまで力士で溢れかえっているという。これで少しは筋トレの時間が減り、四股やテッポウに目が向くようになるのではないか」

 災い転じて福となすかはこれからだが、十両転落後に試練が待つとみられている。今の十両力士には日大の先輩が多数いる。幕内から転落した遠藤と大奄美をはじめ、英乃海、紫雷、對馬洋の日大勢に加え、ライバルの日体大出身である白熊、阿武剋、妙義龍、朝紅龍がいる。ケガからの復活の途上にある三役経験者・若隆景も控えている。前出・若手親方が言う。

「先場所の幕尻優勝は挑戦者的な立場だったので、受ける側にもプレッシャーがあったはず。復帰後の十両の土俵では、今度は尊富士が受ける側になる。簡単には勝てないのではないか」

 尊富士には茨の道が待ち受けているようだが、初優勝の翌場所に初日から休場した曙と吉葉山の2人は、ともに横綱に昇進している。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください