【骨になるまで・日本の火葬秘史】上皇ご夫妻は400年ぶりでも「火葬」を望まれた 新時代の「送り方・送られ方」を考える
NEWSポストセブン / 2024年6月18日 11時15分
ただ、国民の思いはさまざまだ。
右翼民族派の重鎮である犬塚博英・八千矛社代表は、今年も5月25日の楠木正成の命日に、祭主として「楠公祭」を全国から100名以上を集めて乃木神社で執り行った。犬塚は「楠公の『尊皇絶対』の精神に学び続ける」と述べ、「楠公祭」の継続を誓った。
戦地には赴いても靖国神社には参拝されない上皇ご夫妻への悲痛な思いが、2018年6月、小堀邦夫宮司の「陛下が慰霊の旅をすればするほど靖国から遠ざかる」という不適切発言となり、小堀宮司は職を辞した。
それぞれの思いは受け止めつつも天皇家は、「象徴」であり続ける。「おことば」では天皇に深刻な事態が訪れた際のモガリや葬儀に関する行事が延々と続き、人々に大きな影響を与えることへの懸念を述べた。「昭和の自粛」を意識してのことだ。ひとえに国民への負担を避けたい──その一心が上皇ご夫妻の葬儀の簡素化とそれを踏まえた火葬の決断につながった。
歴史的背景は比べるべくもないが「弔い」の大きな変遷点にいる我々がいま、天皇家の葬送の歴史に思いを馳せるのも必要なことだろう。
400年ぶりの「火葬」での弔いを表明された上皇ご夫妻の陵は武蔵陵(下)に確保されている。
【プロフィール】
伊藤博敏(いとう・ひろとし)/ジャーナリスト。1955年、福岡県生まれ。編集プロダクション勤務を経て、1984年よりフリーに。経済事件をはじめとしたノンフィクション分野における圧倒的な取材力に定評がある。『鳩山一族 誰も書かなかったその内幕』(彩図社)、『同和のドン 上田藤兵衞「人権」と「暴力」の戦後史』(講談社)など著書多数。
※女性セブン2024年6月27日号
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