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《「ほぼ裸」ポスターや立候補しない女性格闘家も》都知事選の選挙ポスター問題 「おそろしい時代」「恥ずかしい」と嘆く大人に「あたおか」と笑う小学生たち

NEWSポストセブン / 2024年6月23日 16時15分

 それでも、あの時代と比べれば結果「自由と平等」の国にはなった。それは違いない。NHKの朝ドラ『虎に翼』でも「あの時代」が描かれている。

「これも『平和』ということなのでしょうね、食うや食わずのお国とか、何でもかんでも捕まえて処刑するようなお国ではないから、こうした選挙ができるのでしょうね」

 こうした選挙――ポスター掲示板の半分以上がわけのわからない、都知事選とおおよそ関係ないであろう文言が並び、掲示板の大半を敷き詰めた候補者らの所属する政党では寄付行為を通して枠を一般に販売している。自分の写真でも可愛いペットの写真でも、営業目的など公職選挙法に定められた禁止事項以外はなんでもOKだ。女性格闘家は候補者でもないのに掲示板に大量に貼られたポスター上、ガッツポーズで笑っている。

 他にも4月の衆議院議員東京15区補欠選挙で暴れまくった政治団体の代表も勾留中だが出馬する。別の候補者である元市議は「ほぼ全裸」の女性の写真を女性本人が貼るパフォーマンスで告示日当日、さっそく警視庁から警告を受けた。お騒がせユーチューバーは都知事選に出ると言って撤回、供託金の300万円を返還してもらったが、結果的によい宣伝になったのではと報じられた。「選挙で遊ぶな」「落ちるとこまで落ちた」とSNSを中心に多くが嘆き、怒っている。ちなみに政見放送は全員で11時間(!)を超える。

「私が覚えているのは1980年代くらいからですね、あのころ、たくさんの政党があって、政治と関係のない、よくわからないことばかりを言う人たちが政見放送に出ていました。今回ほどではありませんけど『おかしいな』と思った始まりのように思います」

 この話、1980年代の国政選挙でUFO党、雑民党、人間党、年金党、老人福祉党、世直し党などの「ミニ政党」が跋扈した時代のことだ。その主義主張はともかく、10代ながら筆者にも「やばい」と思わされてしまうような政見放送はあった。オウム真理教の真理党は1990年の衆院選で話題となったが、その結果と末路、悲劇は周知の事実だろう。

「都知事選だと青島幸男さんですね、関西の横山ノックさんと同時に知事になられました。面白い方々でしたけど、面白いだけでいいのかしらと心配でした」

 彼女の心配の通りになってしまうわけだがそれは過去の話、しかし「お祭り都知事選」はこの青島幸男から始まったと筆者も思う。1995年、阪神・淡路大震災の年だった。先のオウム真理教により地下鉄サリン事件も引き起こされた。政治もその前年に自民党が社会党と手を組み、新党さきがけと「自社さ政権」を立ち上げて政権に返り咲いた。冷戦の終結は右とか左とかの「思想」ではなく上か下かの「金」の時代となった。バブルはとっくに崩壊、まさに失われた30年とか、40年とか言われる私たちの「いま」の端緒であった。

こんな選挙は恥ずかしい

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