《「ほぼ裸」ポスターや立候補しない女性格闘家も》都知事選の選挙ポスター問題 「おそろしい時代」「恥ずかしい」と嘆く大人に「あたおか」と笑う小学生たち
NEWSポストセブン / 2024年6月23日 16時15分
まさに「異様」としか表現できない今回の東京都知事選のポスター掲示板を二人で眺める、せっかくなので代わる代わる、いっしょに眺める方に話しかけてみる。
「こんな選挙は恥ずかしい、どうしてこうなったのか」(40代・会社員)
「選挙制度がおかしいし、時代にあってない、性善説じゃ無理」(50代・会社員)
「最近の国政だってそうじゃないか、いまの日本にお似合いだよ」(60代男性)
「日本人バカしかいない、面白すぎ。(観光の)外国人めちゃ笑ってた」(20代男性、学生)
「たった300万円で宣伝できるなら安いでしょう、プリウスより安い」(40代・経営者)
異口同音、多かった感想は「恥ずかしい」だった。あくまで都知事選なので「日本」「日本人」は主語が大きい気もするが直近の自公政権の惨憺たる印象もあるのだろう。また子どもは面白がると同時に既出の通り「あたおか」とバカにしていた。「俺は違う」と言いたいところだが、大人がバカにされても仕方のない現実なのは確かだ。
ちなみに「プリウスより安い」も確かに、と思う。新車のプリウスは一番安いグレードで約320万円(2024年6月時点)。単純比較ならプリウスを買う金額で都内一円にポスターが掲示できて、NHKで政見放送ができて、選挙公報はもちろん各種媒体で扱われる。
代理店の広告マンに聞けば「都知事選の300万円は格安」と話す。契約期間や媒体力にもよるが全国紙なら2段1/2で300万円する。全5段(いわゆる全面広告)だと1000万円を超える。テレビコマーシャルなら億だ。重ねるが媒体それぞれ、ケースバイケースとはいえ、この都知事選の供託金300万円が「自己宣伝」と考えれば格安なのはわかってもらえると思う。まして「出馬」と騒いで告示前に取り下げればその金は返ってくる。
選挙ポスターをまるでクイズ番組『パネルクイズアタック25』や昔の電話ボックスにあったピンクチラシのように張り巡らした党の代表はこれらを「選挙フェス」と意気込む。それを面白がる人もまたSNSには普通にいて、誰しも法を犯してはいない。かといって「選挙ポスターに無関係の人物を掲載するな」「選挙ポスターを使って寄付名目で出演料をとって稼ぐな」「ほぼ裸で載るな」と細々と規制するのも「普通しない」からしなかっただけの話であり、それこそアメリカの「猫を電子レンジで乾かさないでください」とか「チェーンソーを素手でとめないでください」を都知事選で実行されてしまった、ある意味「性善説の限界」というか「知性の限界」と言っても差し支えないだろう。
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