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牛肉、うなぎ、あさり、鶏肉など…繰り返される「産地偽装」「産地ロンダリング」のカラクリ

NEWSポストセブン / 2024年6月25日 16時15分

この国の食卓は「偽物」だらけで埋め尽くされてしまうかもしれない(写真/PIXTA)

「国産」と表示されていれば、安心・安全と信頼できる時代はもう終わっていた。私たちの口に入るものはどこで生まれ、どこで作られたのかすら、わからなくなっている。このままではこの国の食卓は“偽物”だらけで埋め尽くされてしまうかもしれない──。

 今年4月、「鳴門わかめ」と産地を偽って中国産のわかめを販売した徳島県の業者に対し、「鳴門わかめが積み重ねたブランド価値を悪用する悪質なものだ」として有罪判決が言い渡された。中国産わかめが入った段ボール箱に「鳴門産」と書かれたシールを貼って販売したとして、食品表示法違反などの罪に問われていたものだ。

 昨年10月には、神奈川県川崎市の学校給食で豚肉の産地偽装が明らかになった。市の聞き取りに対し、会社側は「利益を確保するため安い外国産の豚肉を混ぜた。10年以上前から続けていた」と偽装を認めた。

 食品問題評論家の垣田達哉さんによると、それらは氷山の一角に過ぎないという。

「食品偽装はいまやふるさと納税にもおよんでいて、地場産の原材料を削ってコストカットするケースが増えています」

 野菜や小麦、米に至るまで本誌は再三にわたって「国産食品」の危険性や闇を追及してきたが、食品そのものに加え、「産地」「表示」にも罠が潜んでいるということ。あなたが手に取った食品のパッケージに書かれた文言の「ウソ」と「カラクリ」を暴いていく──。

生まれも育ちも日本のうなぎは少数派

「産地のウソ」が潜んでいるのは、単なる「偽装」だけではない。食料品店の商品棚で、消費者の選択肢となる原料産地表示には、あるカラクリがある。

 生鮮食料品に「国産」という表示が書かれてあれば、生産から加工まですべて日本で行われていると思いがちである。しかし、実際はそうではないケースが多々ある。

 たとえばアメリカで生産された畜産物を生きたまま輸入し、日本でしばらく飼育したのちに精肉にして出荷したとする。その場合、アメリカ生まれのこの畜肉には、「アメリカ産」と表示されるはずだと思う消費者が大半だろう。

 しかし、食品表示法においては、アメリカよりも日本での生育期間が一日でも長ければ、国産と表示することになっているのだ。これを俗に「長いところルール」という。

 つまりわれわれが日常的に口にしている「国産牛」も生まれをたどれば外国の可能性があるということだ。東京大学大学院農学生命科学研究科特任教授の鈴木宣弘さんがこう話す。

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