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【“私の推しメン”対談】秋吉久美子×安冨歩・東大名誉教授 50才をすぎてから“女性装”に移行したのか?「モラハラの研究過程で徐々に心が解放された」

NEWSポストセブン / 2024年7月22日 16時12分

秋吉:先生は著書の中などで、“50才を過ぎてから自分の中の少女に気づいた”という言い方をされています。女性装をすることで、もともと自分の中にあったけれど押し殺していた少女の部分を解放でき、それで楽になったんですね。

安冨:ええ。中身と外見がようやく一致したんです。

秋吉:周りの対応も変わったのでは?

安冨:私は男性が苦手で、女性の方が交流しやすいのですが、自分を男性だと思っていたときには、そこに変な垣根ができていて、つらかったのです。しかし、女性装に移行して、その垣根が低くなって、とても楽になったと感じています。

秋吉:嫌な思いをしたこともあったでしょう?

安冨:いちばんひどかったのは、初めてスカートをはいて外出したときに感じた“白眼視(はくがんし)”(冷たい目で見ること)です。この暴力はゾッとするようなものでした。やがて見た目が女性らしくなるとそれは減りましたが、今度は、女だと思ってなめているような態度を取られることがありました。女性は“女”というだけで、日頃からこのような扱いを受けているんだと実感し、怒りが湧きました。

秋吉:確かに。車の運転をしているとき、女性ドライバーだとわかるとあおってくる男性ドライバーがよくいますよね。腹立たしいけれど、逆に私は“女性を使う”ときがあります。車で列に割り込ませてもらうときに笑顔であいさつをして愛嬌をふりまいたり、ね。私は男女差別を逆に利用してアドバンテージをとるのを楽しめるタイプかも。

安冨:それはたくましい(笑い)。

(第2回に続く)

【プロフィール】
秋吉久美子(あきよしくみこ)/女優。高校在学中の1972年、『旅の重さ』(松竹)で映画初出演(このときは小野寺久美子名義)。1974年、藤田敏八監督の『赤ちょうちん』『妹』『バージンブルース』(いずれも日活)で脚光を浴びる。代表作に『あにいもうと』『深い河』(ともに東宝)、『異人たちとの夏』(松竹)など。55才で早稲田大学政治経済学術院公共経営研究科を修了し、公共経営修士を取得。著書に『秋吉久美子 調書』(筑摩書房)など。

安冨歩(やすともあゆみ)/東京大学名誉教授・経済学者。1986年に京都大学卒業後、住友銀行に入行。2年半で退職して京都大学大学院経済学研究科へ。満洲国の経済史を専門とし、1997年に日経・経済図書文化賞を受賞。2009年、東京大学東洋文化研究所教授に就任するが、2023年に退職。現在は東京大学名誉教授。『生きるための論語』(ちくま新書)、『誰が星の王子さまを殺したのか—もらモラル・ハラスメントの罠』(明石書店)など著書多数。

取材・文/上村久留美 撮影/楠 聖子 ヘアメイク/黒澤貴郎 衣装協力/Down to Earth(安冨歩さん)

※女性セブン2024年8月1日号

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