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《ちあきなおみ・デビュー55周年でサブスク解禁》圧倒的な“存在感”と“説得力”で人々を魅了した“憑依型歌手” 城之内早苗は「凄まじい衝撃を受けた」

NEWSポストセブン / 2024年8月2日 12時13分

 森は2007年に上梓したエッセイ『ぼくの歌・みんなの歌』(講談社刊)にちあきを登場させている。

「メディアから姿を消して10年以上経過しても、頭の中ではずっとちあきなおみが気になっていた。どこかで生きているわけだから、うちの近所にいてもいいはずだ。そんな妄想を書きたくなったのだと思います」

 春先に着物姿で日傘をクルクル回しながら歩くちあきなおみ。同エッセイではそんな姿が描かれている。

「今でも生歌を聴いてみたい気がするけど、すっぱり消えたからこそ、語りたくなる。これからもそうした存在であり続けると思います」

「行き詰まった時は今でもちあきさんの歌を聴いています」

 おニャン子クラブ出身で演歌歌手の城之内早苗(56)は、ちあきの曲を聴いたことがきっかけで自身の進む道が拓けたという。

「おニャン子解散後、やりたかった演歌の道に進むことができたのですが、大人たちが敷いてくれたレールを歩むばかりで、恵まれた状況に甘えてしまい、頑張ろうとして空回りする日々が続きました。迷子のようになっていた頃、スタッフの方に手渡されたのがちあきさんのコンサートを収録したカセットテープでした」

 その歌声は、城之内の迷いを断ち切るほど衝撃的だったという。

「『こんな世界観の歌があるのか』と凄まじい衝撃を受けました。曲により印象がガラッと変わるちあきさんの歌を聴き、『ちあきさんのように、私は私の歌を私のままで歌いたい。枠なんかにとらわれなくていいんだ』と思えたんです。聴くたびに心に刺さる言葉が違うので、行き詰まった時は今でもちあきさんの歌を聴いています」

 城之内はちあきの歌声の魅力をこう語る。

「ちあきさんの歌はこぶしのちりばめ方が好きです。特に『役者』は歌い出しの“愛”をどう発声するかが重要です。私なら愛を前面に打ち出してしまうのに、ちあきさんにはわざとらしく誰かに伝えようとするいやらしさがなく、耳元で囁くようなヒキの美学を感じます。ポップス調のバラード『伝わりますか』も、重くも軽くもない、なぞるような歌い方。

 私が言うのはおこがましいですが、美空ひばりさんとちあきなおみさんは特別な歌手。生のステージを見られなかったことだけが悔しい」

(後編に続く)

※週刊ポスト2024年8月9日号

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